昨年中は御愛読いただきありがとうございました。
このブログは「江戸」をキーワードとして、「江戸」にこだわった記事を書いています。
今年もこの考えのもと、様々な記事を書いていこうと思いますが、特に江戸検を受験される皆様の応援になる記事、そしてちょっと「江戸」からは離れますがNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」に関する記事を中心に書いていこうと思います。
今年も、皆様にご愛読いただけるよう日々努力して参ります。
本年もどうぞよろしくお願いします。
さて、今年のブログ書初めは、正月行事の飲み物「若水。大福茶、屠蘇」について書いてみます。
東都歳時記の元日の項に次のように書かれています。
今朝若水を汲む、今日より三日迄貴賤雑煮餅を食し、大服をのみ屠蘇酒をすすむ。
元日には、若水を飲み、三が日は大服茶と屠蘇を飲み、雑煮を食べたようです。
若水とは、元日の朝に始めて汲む水で、初水、福水、若井などの別称があります。
「絵本江戸風俗往来」には、例年正月元日早天に、始めて若水とて井水を汲み、その水にて雑煮をととのへ福茶を煮ること、上下貧富の別なく皆同じ。この若水を汲める手桶も新調して輪飾りをかけ、今年の恵方に向いて水を汲む。中にも家々の旧式ありて年々失うことなし
と書いてあります。
大服茶とは、正月三が日、または七日、十五日などは、雑煮の前に、つけ梅、切り昆布、粒山椒などを入れた煎じ茶を飲むことを大服茶と言います。大服は大福に通じさせています。
大服茶は、御福茶、大福茶とも言います。
「守貞謾稿」には次のように書かれています。
江戸にては、大福といわず、福茶といふ。元日、二日、三日、六日、七日、十一日、十五日、十六日等数回これを飲む。あるいは三が日これを飲む家もあり。元日のみといふにあらず。しかも多くは夜食前にこれを るなり。甲州梅、大豆、山椒、以上三味を二三粒づつ釜中に投じ、これを食す
そして、屠蘇ですが、中国から伝来したもので、無病長寿の願いを込めていただくお酒です。
お正月に屠蘇を飲むことは、唐代にはじまり、わが国では、平安時代の嵯峨天皇弘仁2年に宮中ではじめられたと言われています。
大晦日の晩に、屠蘇散が入った袋を井戸の中に吊るしておきます。
この袋は、三角形に縫った赤い絹の袋です。一晩吊り下げられた屠蘇を、元旦の早朝に取り出して、酒に浸ししばらくして杯に注ぎます。お屠蘇をいただくときには、一家揃って東の方角を向きます。
このお屠蘇の杯は年少者から年長者へまわすことされていたようです。
お屠蘇を飲んだ後に、雑煮やおせち料理をいただきました。
江戸時代にはお屠蘇は家々で配合していたそうですが、「和漢三才図会」によると次の薬草が配合されるそうです。
白朮(びゃくじゅつ キク科オケラまたはオオバナオケラの根)
山椒(さんしょうサンショウの実)
桔梗(ききょう キキョウの根)
肉桂(にっけい ニッケイの樹皮、シナモン)
防風(ぼうふう セリ科ボウフウの根)
蜀椒(しょくしょう ミカン科)
大黄(だいおう タデ科)
虎杖(いたどり タデ科)
明治になると「屠蘇散」と名付けて袋に入れて薬種問屋で売るようになり、さらには飲みやすいように酒にかわりに口当たりのよい味醂も使用されるようになりました。
現代ではインターネットで「屠蘇散」が購入できるようになりました。
しかし、我が家で、毎年、お屠蘇ではなくお酒で、新年をお祝いしています。

