人気ブログランキング | 話題のタグを見る
仏乗院(御府内八十八ヶ所)
 昨日は、秦野市にある御府内八十八ヶ所の77番札所仏乗院に行ってきました。

 御府内八十八ヶ所の札所は、東京23区内にあります。
仏乗院(御府内八十八ヶ所)_c0187004_120356.jpg しかし、唯一遠方にあるのが、77番仏乗院です。
 仏乗院は、神奈川県秦野市の丹沢山地の入り口にあります。
 秦野は、小田急線で急行でも新宿から1時間ほどかかります。
 そのため、埼玉に住んでいる私にとっては、一日がかりの日程になるため、なかなか行きにくい場所です。
 そこで、どうしても、最後の方になりがちです。
 しかし、昨日は、思い切って行ってきました。

 仏乗院は、もともと秦野市にあったわけではありません。
 港区三田のいわゆる三田寺町の一画にありました。それが、昭和62年(1987)に秦野市移転しました。

仏乗院(御府内八十八ヶ所)_c0187004_1203385.jpg 仏乗院には、小田急線秦野駅から蓑毛行きのバスに乗り、終点蓑毛まで乗ります。
 約25分でした。
 バスを降りて、県道から右に金目川沿いに坂道をのぼっていきます。
 右写真は、バスを降りた場所から写した入り口です。
 写真左手に金目川にかかる蓑毛橋が写っていますが、その手前の道を右手に上っていきます。

 仏乗院(御府内八十八ヶ所)_c0187004_1205861.jpg その坂道500mほど歩いたところに割烹料理「蓑庵」があります。
 その右脇に仏乗院へ入る小さな山門があります。(右写真)
 その山門を入りますと、右手にお稲荷様があり、その先に御本堂があります。
 右最上段写真は、山門を登り切った場所から写した仏乗院の本堂です。
 山腹に建てられているため、本堂に上る階段は急階段ですが、その本堂の立派なのに驚きました。(右下写真)


 
仏乗院(御府内八十八ヶ所)_c0187004_1211449.jpg 仏乗院がいつ開創されたからははっきりしないとのことですが、江戸時代の初めに八丁堀に創建されました。
 その後、八丁堀から三田寺町に移りました。
 三田寺町には、八丁堀が大名屋敷や幕府役人(奉行所の与力同心と思われる)の屋敷になったため、八丁堀から移転してきたお寺が多くあります。
 仏乗院も同様な事情があったものと思われます。


仏乗院(御府内八十八ヶ所)_c0187004_124191.jpg その仏乗院が、なぜ、秦野市移ることなったかですが、先代御住職の奥様のお話では、バブル期に、土地を売ってほしいとのお話があったのがきっかけだったそうです。
 当初は当然難色を示したものと思われますが、総代の方たちとの相談の結果、移転を決めたとのことです。
 仏乗院は、祈願寺であったため、遠方への移転も検討可能であったため、たまたま、現在地の売却の話があり、秦野に決定したとのことでした。
 秦野に移転して、約30年になるとのことでした。

 仏乗院の、ご本尊様は、千手観世音菩薩様です。
 この仏様の製作時期ははっきりしないとのことですが、秘仏とされていて、5年に一度御開帳があるとのことです。
 また、御前立のご本尊様も秘仏となっていて、こちらも年に一度のみ御開帳されるとのことでした。

仏乗院(御府内八十八ヶ所)_c0187004_1228106.jpg さて、仏乗院の手前にある割烹「蓑庵」ですが、現在は閉店していますが、仏乗院が経営していたそうです。
 もともと、仏乗院のある現在地は、「蓑庵」の敷地だったようです。
 そして、蓑庵の売却の話があり、それを仏乗院が購入したという事情のようです。
 「蓑庵」は、おそばが名物でしたが、そばを打っていたのは先代ご住職の奥様だったようです。
 その奥様が、腰を悪くしたため、やむをえず「蓑庵」を閉店したとのことでした。

 仏乗院のある場所は丹沢山地と聞いていたので、もっと山深い場所からと思っていましたが、バス便もそれほど悪くなく、道路も舗装されていて歩くのにも支障ないところでした。
 法事が終了して、節分の準備中とのことでしたが、先代御住職の奥様に丁寧にご対応していただき、いろいろなことを教えていただきました。
 奥様大変ありがとうございました。
by wheatbaku | 2014-02-03 11:41 | 御府内八十八ヶ所

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
ブログジャンル
歴史
日々の出来事