第2回の問題は、第1回の正解を書いた際にお知らせしたとおり、大久保洋子先生著「江戸っ子は何を食べていたか」から出題しています。「江戸っ子は何を食べていたか」は新書版で読みやすい本ですが、問題を解いてお分かりになるとおもいますが、かなり、深い知識・情報が含まれていることがお分かりになると思います。
簡易な本でも、しっかり読むことが大切であると思います。
問題はこちらをご覧ください。
⇒ 「江戸の食文化」 第二回模擬試験問題
1、 ①大根
現在は、大根と言えば辛みが少なく甘みが強い青首大根が主流ですが、江戸時代の大根は、現在の青首大根より辛味の強い大根が栽培されていました。
有名な練馬大根も辛味の強い大根でした。
江戸っ子は、辛味の強い大根をおろして、蕎麦や天麩羅の薬味として使用しました。
現在でも「辛味大根」と呼ばれる大根は、そばの薬味として使用されています。
参照:19ページ
2、 ③柳亭種彦
八百善は、山谷にあった高級料理屋で、江戸時代から有名でした。
もともとは、八百屋でした。そして、初代の名前が栗山善四郎でしたので、屋号を「八百善」としたと言われています。
引札とは、現在のチラシのことで、この原稿を当時有名な戯作者であった柳亭種彦が書きました。
参照:114ページ
3、 ④筏焼
蒲焼の名前の由来は、問題文に書いたとおり、蒲の穂に似ていたことによるものです。蒲焼の語源について、守貞謾稿は、
「古は鰻蒲焼と云ふ名のあるは、鰻を筒ぎりにして串にさして焼きしなり。
形 蒲穂(がまほ)に似たる故の名なり。」 と書いています
「蒲の穂」とは右写真です。
腹または背を開いたものは、その姿から「筏焼」と呼ばれていました。
参照:95ページ
4、 ②家に帰って食べた。
寺子屋が庶民の間に広まったのは、江戸時代中期と言われています。
寺子屋には、7歳くらいになると入門料である「束脩(そくしゅう)」を納めて入門し、生徒は午前7~8時ごろから、午後2~3時ごろまで勉強していました。
参照: 22ページ
5、 ③何必醇
「豆腐百珍」は必須語句です。これに関する情報はいろいろ知っておくべきでしょう。
「豆腐百珍」の版元は大阪の春星堂藤屋善七であることや「醒狂道人何必醇(すいきょうどうじんかひつじゅん)」はペンネームで、実際の著者は、篆刻家の曽谷学川(そだに がくせん)と言われていることなどは覚えておく必要があると思います。
選択肢①浅野高造は「素人包丁」の著者、
選択肢②杉野 権兵衛は「名阪部類」の著者
選択肢④醍醐散人は、「料理早指南」の著者で、いずれも覚えておいた方がよい料理書と著者名です。
参照: 18ページ
6、 ②鯛の潮汁
江戸の有名店も覚えておいた方がよい事項だと思います。
深川「平清(ひらせい)」では、鯛の潮汁が有名で、江戸川柳に「平清の奢(おご)りのすえもうしほなり」と読まれるほどでした。
これは平家の一門が壇の浦でほろんだことと、平清の会席料理の最後に鯛の潮汁が出されることをかけたものです。
選択肢①卓袱(しっぽく) 料理で有名なのが日本橋浮世小路「百川」
選択肢③奈良茶漬けで有名なのが川崎の万年屋、
選択肢④豆腐田楽が有名なのは、真崎稲荷の「甲子屋(きのえねや)」で、いずれも記憶しておくべき有名料理店です。
参照:114ページ
7、 ③喜の字屋
台の物の商売を始めた人物は、「喜右衛門」という人物でした。
そこから、台の物を扱う商売が「喜の字屋」と呼ばれるようになりました。
「江戸食文化紀行」による松下先生の説明では、台の物の値段は一分(一両の四分の一)で、天保年間には二朱台(二朱は一両の二分の一)もできましたが、台の物は高価な割に味が良くなかったそうです。
参照: 110ページ
8、 ④約1000個
兎園小説には、「去年甲申一年の仕込高、桜葉漬込卅壱樽、但し一樽に凡そ二万五千枚程入、葉数〆七拾七万五千枚なり、但し餅一に葉弐枚宛なり、此餅数〆卅八万七千五百、(後略)」と書かれています。
つまり、塩漬の葉の仕入高は31樽,1樽に2万5千枚の葉がはいるので、葉の枚数はおよそ77万5千枚,桜餅1個に2枚ずつ使うので、桜餅の数は38万7500個になると書かれています。
年間38万7500個を一日当たりに換算すると、約1000個ということになります。
すごい数ですね。
なお、「兎園小説」には、桜餅一個につき葉を2枚使用すると書かれていますが、現在は3枚使用しています。
参照:182ページ
9、 ①蒸米と麹米の両方に精白米を用いる製法
諸白は、正解の通り、蒸米(蒸して麹や酒母とともに発酵させてもろみをつくる米)と麹米(蒸して麹菌を培養し麹をつくる米)のどちらにも精白した米を用いる製法です。
選択肢②麹米は玄米のままで、掛け米(蒸米)だけに精白米を用いる製法は片白(かたはく)と呼ばれ、これにより作られる酒はいわゆる「濁り酒」となります。
選択肢③冬に仕込みを行う方法は「寒造り」と呼ばれます。
選択肢④腐敗を防ぐための加熱殺菌する製法は「火入れ」と呼ばれます。
参照: 56ページ
10、 ①鯨汁
鯨汁とは、鯨の表皮・脂皮を塩蔵した保存食材「塩クジラ」を薄切りにして熱湯で塩分や脂分を除いて、山菜、野菜などと煮て作る汁ものです。
現在でも、北海道や東北で郷土料理として食べられているようです。
参照:161ページ
さて、次回の模擬試験問題は、永山久夫氏著「大江戸食べもの歳時記」(グラフ社発行)を基に出題します。これは、小田原の蒲鉾の老舗「鈴廣」の季刊誌に掲載された記事をまとめたもので、軽い読み物となっています。
新潮文庫でも出版されているようですので、短時間で気楽に読めると思います。
この中にも覚えておいた方がよい情報が含まれていますので、そこから出題していきたいと思います。

