「油の話」は前回まで、江戸五大油のうち、荏胡麻油、胡麻油、菜種油まで書きました。
今日は、「榧(かや)の実油」と「椿油」について書きます。
皆さんは「榧(かや)」という木をご存知ですか?
榧の木は意外と知られていないのではないでしょうか
榧(かや)は、イチイ科の常緑針葉樹で、イチョウと同じように雄株と雌株が異なっています。幹は直立し樹の高さは20m、周囲は3mほどまでなり、樹形は幅の広い円錐形になります。
木の成長は非常に遅いのですが、寿命は長い樹木です。
枝の様子などはモミなどに似ていますので、モミの木をイメージするとよいかもしれません。
榧の木は、碁盤・将棋盤として利用され、宮崎県産のものが有名です。
そんな榧の木ですが、東京で身近に見られる巨木があります。
それは、増上寺南東端の慈雲閣の裏手にある榧の巨木です。
目通り(地上1.5mの高さ)の直径約1.3m、樹高約25mあります。
樹齢は推定で600年を超える雄株だそうです。
港区の天然記念物に指定されています。
榧の実油は、榧の種子から採られます。なお、種子は食用となり、アクが強いので数日間アク抜きしたのち煎るか、土に埋め、皮を腐らせてから蒸して食べるます。
徳川家康が鯛の天ぷらを食べて亡くなったと言われますが、この時に使用した油が榧の実油であると言われています。
また、榧の実油は食用のほか灯火用にも使われます。
五大油の最後は「椿油」です。椿油は、ツバキ科のヤブツバキから採られる油です。
椿油は、頭髪用として大変有名で、頭髪油と思われがちですが、江戸時代から高級食用油としても使われてきました。
椿油で揚げると揚物は軽い仕上がりになります。また、椿油で揚げると他の植物油と比べて長い時間、カラッとした感じが保たれるようです

