もっとも代表的な江戸野菜である「練馬大根」は取材をした後改めて書きたいと思います。
葉ショウガが店頭に並ぶ季節になりました。葉ショウガは、酒を飲むには、絶好のつまみになります。
この葉ショウガを居酒屋では「谷中ショウガ」や「谷中」と言ったりします。

「谷中ショウガ」は、江戸時代には、現在の荒川区西日暮里から台東区谷中にかけてが産地でした。
これらの地域の中で、谷中ショウガは谷中本村と言われた現在の荒川区西日暮里付近で多く取れました。
西日暮里付近は水に恵まれかつ排水も良く、さらに谷中の台地があって西日を避けられ、風にもあたらないという地形で、生姜の栽培に適していたからだと言われています。
谷中という地名は、上野台地と本郷台地の谷間を指しての名前と言われていますが、現在は、谷中の大半が台地の上にあり、台東区になりますので、江戸時代の産地は、谷中ショウガとはいいながら、現在の谷中とはちょっとはずれた地域になります。
「谷中ショウガ」は味が良く、収穫時がちょうどお盆の時期にあたるため、商人や職人、谷中の寺社などが、お中元の贈答品に利用したため、盆ショウガと言われて、江戸の評判になったそうです。
ショウガは、ショウガ科の宿根草で、インド・マレーシア地方が原産地とされています。
中国では紀元前480年頃の「春秋」にも記述があり、中国にショウガが伝わったのは非常に古い時代でした。
日本にも、古くに渡来しており、奈良時代の正倉院文書の中に、その名前が記録されているそうです。
ショウガは、別名はクレノハジカミといいます。ハジカミは山椒の古名ですが、同じ辛味をもつため、ハジカミという名が付き、山椒のハジカミと区別するためにクレという言葉がついたといわれています。クレとは呉(現在の中国)のことです。
ハジカミと言えばどっかで聞いたような気がしませんか。そうです。焼き魚に添えられる葉ショウガの酢漬けを「ハジカミ」と呼びますね。ハジカミとはショウガの別名だったんです。
そのハジカミが「ショウガ」と呼ばれるようになったのは江戸時代からのようです。