かまぼこには、いろいろな種類があります。 分類方法も、加熱方法による分類、成形方法による分類などいろいろあります。
そこで、今日は、加熱方法による分類で、かまぼこの主な種類について特徴を書いてみます。
蒲鉾は、加熱の仕方により、出来上がった製品の名称が異なってきます。
①蒸した商品 かまぼこ
②焼いた商品 焼きちくわ、笹かまぼこ、伊達巻、
③煮た商品 はんぺん、なると巻、つみれ、すじ
④揚げた商品 さつまあげ ごぼう天 じゃこ天
それでは、代表的な商品の特徴を書いていきましょう。
1、蒸しかまぼこ
(1)蒸板かまぼこ
東京でかまぼこといえば、これを思い出すほどで、かまぼこの代表格です。
特に小田原かまぼこは関東の代表格として有名です。
材料にはシログチなどが使われ、色が白くキメが細かく、しなやかな弾力を持っています。
2、焼きかまぼこ
(1)焼ちくわ
かまぼこの原型となったもので、すり身を竹に巻き付けてあぶり焼いて作ります。
愛知県の豊橋が大変有名です。
(2)笹かまぼこ
宮城の特産。特に仙台といえば笹かまぼこといわれるほど有名です。
すり身をささの葉に成形した焼抜かまぼこです。
「笹かまぼこ」とは宮城県のかまぼこ組合が商標登録しているとか!
(3)伊達巻
すり身に卵と砂糖を混ぜて四角い形に入れて焼いたあと、竹のすだれで「の」の字に巻き、竹のすだれを取り外した後で、もう一度「の」の字形にまき直して作ります。
焼いたままで巻き込まないもは「厚やき」と呼ばれます。
口取りや折り詰め用に関東では伊達巻、関西では「の」の字形に巻かないで、焼いたままの「厚やき」が多く使われているそうです。
3、ゆでかまぼこ
(1)はんぺん
東京名産のかまぼこで、銚子でも作られています。
ヨシキリザメ、ホシザメなどのサメの白身のミンチにし裏ごしした物にヤマイモを加え泡立てながらすりつぶします。
これを四角や半月などに成形し湯の中で茹でて仕上げます。
できあがったはんぺんは、内部に大量の空気を抱き込んでいるので、色が白く、ふわふわした食感をしています。
ヤマイモを使わずに茹で上げたものが「しんじょ」で、原料にはグチなどが使われます。
はんぺんは空気が抱き込まれているいるので水に浮きますが、「しんじょ」は、気泡がないので水には浮きません。
(2)なると巻
赤い身を渦巻き状に巻き込んでいて、切り口が鳴門海峡の渦のような模様になっていることからこの名が付いたといわれています。
焼津で多く作られています。
(3)つみれ
すり身を摘み取りながら湯に入れるので「摘み入れ」とも呼ばれます。
熱の通りをよくするために団子状にしたすり身を指でくぼませてあります。
関東のおでんには欠かせません。
材料は、イワシ サンマ アジなどが使用されます。
(3)筋(すじ)
魚のすり身を作るときに裏ごしで除かれたサメなどの筋や軟骨などをすりつぶしたすり身をゆでたものです。
軟骨のコリコリとした食感と筋(コラーゲン)のモチモチとした食感が特徴です。
関東でおでんの材料として使用されます。
4、揚げかまぼこ
(1)ごぼう天
下処理したゴボウをすり身で包み、油で揚げた揚げかまぼこ。
ゴボウの代わりにニンジン、インゲンなどの野菜やイカ、エビ、ゆで卵などを包んだ製品もあります。
(2)じゃこ天
薄い揚げかまぼこで「皮てんぷら」とも呼ばれます。
愛媛宇和島地方の特産で、ホタルジャコ ヒメジなどの新鮮な小型の雑魚を原料とします。
ジャコの皮や骨も一緒に入れて作るため色は黒く、カルシウムが豊富です。
(3)さつま揚げ
関東では「さつま揚げ」と呼ばれる揚かまぼこは、鹿児島では「つけ揚げ」、関西では「天ぷら」と呼ばれます。
すり身を濃い揚げ色がつくまで油で揚げるため風味は濃厚です。