人気ブログランキング |
てんぷら屋台の様子(てんぷら⑤ 江戸の食文化76)
 昨日は、てんぷらは屋台で食べるものという話を書きましたが、今日は、てんぷら屋台の様子などを書いていきます。

 てんぷらの屋台がどんな様子だったかを描いた絵巻物に、鍬形恵斎(くわがたけいさい)の「近世職人尽絵巻(きんせいしょくにんづくしえまき)」(東京国立博物館蔵)があります。
c0187004_2227319.jpg  鍬形恵斎は、北尾重政の門下の浮世絵師で、重政から北尾政美(まさよし)の名を貰いました。後に、津山藩松平家のお抱え絵師となり鍬形恵斎と名乗りました。
 「近世職人尽絵巻」は文化2年(1805)刊行の絵巻物で、様々な職人の様子を描いたものです。
 屋台の前に、男、女、子供がそれぞれ一人います。男は頬かむりをしていますが、よく見ると腰に2本指していますので、武士ということになります。
 これを見ると、当時屋台で売っている串に刺したてんぷらの揚げ立てを武士も買って食べていたことになります。
 子供の前には大どんぶりが置いてありますが、これは天汁をいれた丼だそうです。


【「江戸独買物案内」】 
 てんぷらは、江戸時代には、店舗を構えて売るようなことはなかったようです。
 文政7年に出版された「江戸買物独案内」の「飲食之部」には151ヶ店が掲載されていますが、蕎麦屋、鮨屋、鰻蒲焼などはありますが、てんぷら屋は一軒もありません。
 「江戸買物独案内」は、江戸に不案内の人が独りででも買物が出来るようにしたショッピングガイドです。当時の有名店が掲載されている書物です。
 この「江戸買物独案内」に掲載された店が一つもないということは、当時のてんぷら屋は屋台がほとんど店構えのてんぷら屋はなかったということを想像させます。
 同じ屋台主体の商売の寿司屋は、「江戸買物独案内」に掲載されている店が18ヶ店あることを考えるとてんぷらの評価があまり高くなかったことを如実に表しています。

【てんぷら蕎麦と天丼】 
 てんぷら蕎麦は、江戸時代後期には販売されていたようです。
c0187004_22282934.jpg 「守貞謾稿」には、蕎麦の説明の中に、あられ、花巻、しっぽく、玉子とじと並んで「てんぷらそば」が次のように書かれています。
 
 『天ぷら  芝海老の油揚げ3,4を加える。』 また、『天ぷら・花巻・しっぽく・あられ・なんばん等皆丼蜂に盛る。』とも書かれています。

 「守貞謾稿」は天保8年(1837)に刊行されていますので、この頃には、てんぷら蕎麦が売られていたことになります。

 一方、天丼は、新橋にあった「橋善」のてんぷらの残りを利用して、蕎麦屋が明治時代に開発したものだそうです。
 そして、当の「橋善」も天丼を売り出し名物になったそうです。
 その「橋善」は数年前に閉店してしまったそうです。
by wheatbaku | 2014-08-15 08:00

江戸や江戸検定についてに気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
プロフィールを見る
更新通知を受け取る
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
以前の記事
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
ブログジャンル
歴史
日々の出来事