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そば(そば① 江戸の食文化77)
 今日からは、四大和食の一つ「蕎麦」について書きましょう。

 ソバは、タデ科ソバ属の一年草です。
 ソバの原産地は、中国雲南省とする説が有力となっています。
 元正天皇の養老7年(722)に救荒作物として栽培が勧められたことが「続日本記」に記されていることから、日本へは、奈良時代以前にソバは伝来していたと推測されています。

 古代には、「そば」は「そばむぎ」、「くろむぎ」と呼ばれました。
そば(そば① 江戸の食文化77)_c0187004_11182031.jpg 『本草和名』には「曾波牟岐(そばむぎ)」、『和名類聚抄』には「久呂無木(くろむぎ)」と書かれています。
 ソバの実に稜角(物のかど)があることから「そばむぎ」と呼ばれたと考えられています。「そば」とは稜角(物のかど)を意味する古語です。
 右写真が、ソバも実ですが、稜角があるのがわかりますでしょうか?
 なお、ソバの花は、右下のような綺麗な花です。
 また、実の皮が黒くなっていることから「くろむぎ」と呼ばれたと考えられます。
 「そばむぎ」が単に「そば」と呼ばれるようになったのは、室町時代後期と考えられています。

そば(そば① 江戸の食文化77)_c0187004_11195272.jpg 「蕎麦」というと、現在、私達は、蕎麦麺を想像しますが、麺状をした蕎麦を食べるようになったのは江戸時代からで、そばは、奈良時代~室町時代の長い間は、主に「そばがき」として食べられていました。

 現在のような蕎麦は「そばきり」と呼ばれていました。
 「そばきり」という言葉が、文献上、初めてあらわれたのは、天正2年(1574)の  木曽の定勝寺の仏殿修理の寄進記録の中です。
 この「定勝寺文書」が発見されるまでは、最古の記録とされていたのが「慈性日記」です。
 「慈性日記」は近江多賀神社の尊勝院の僧慈性の日記で、慶長19年(1614)2月3日の記録として「(江戸の常明寺で)ソバキリ振舞被申也」と書かれています。

 寛永20年に刊行された「料理物語」は、そばきりの製法が書かれている最古の書物です。
 それによると、「つなぎ」については、「飯のとり湯でこねるとよい。あるいは、ぬるま湯でもよい。豆腐をすり水でこねることもある。」と書かれています。
現在では、「つなぎ」は小麦粉が使用されていますが、江戸時代初期には、小麦粉はしようされていなかったようです。
 また、「汁は、うどんと同じようにつくる。」とだけ書かれています。
 そこで、うどんの項を見ると、「汁は煮貫、あるいは垂れ味噌がよい」と書かれています。
 「料理物語」には、「生垂れ、垂れ味噌、煮貫」にも作り方が書かれています。
 それによると、生垂はみそ1升を水3升でといて袋に入れ,したたり落ちる液汁をとったもの,垂みそはみそ1升に水3升5合を入れて煮たて,3升ほどに煮詰めて生垂同様にこしとったもの,煮貫は生垂に鰹節を入れ,煮たててこしとったものとされています。
 江戸時代初期には、まだ醤油は開発されていませんでしたので、「煮貫」や「垂れ味噌」で食べたようです。
 その後に続いて、「それに大根の汁を加えてもよい。」と書かれています。
 「料理物語」には、大根おろし汁を追加するとだけ書いてありますが、江戸時代には、辛味大根のおろし汁だけでそばを食べたこともあったようです。
 辛味大根で食べる場合は「辛味そば」と呼ばれたようです。
 「辛味そば」は最近また注目を浴びてきているそうです。
by wheatbaku | 2014-08-26 10:16 | 江戸の食文化

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
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