六義園散歩の最後にご案内した「駒込土物店(つちものだな)跡」が「江戸の食文化」とも関係するので、今日は、「駒込土物店跡」についてご紹介します。
「駒込土物店跡」は、東京メトロ「本駒込駅」 出口から徒歩2分の天栄寺門前にあります。「駒込土物店」というのは、江戸時代から昭和にかけて、駒込にあった青果市場です。
「土物(つちもの)」というのは、大根・にんじん・ごぼうなど根菜類を言い、ここで根菜類を中心に取引が行われたため「土物店」といいます。
「駒込土物店」は、神田、千住とならぶ江戸の三大市場のひとつに数えられる大きな市場でした。
「駒込土物店」の由来については、天栄寺の参道にこの中に駒込土物店の歴史を書いた石碑が建てられています。
右写真が「駒込土物店縁起」碑です。これによると、天栄寺の近くにサイカチの木があって、斉藤伊織という人がこの木の下にお稲荷様を勧請して千栽稲荷と名付けてお祀りしたそうです。
そして、近隣のお百姓が毎朝下町へ青物を売りにゆく途中、いつも、この木の下で休憩したそうです。
その時たまたま野菜を買う人があるとその斉藤氏が売り買いの仲立ちをしたことが市場の始りだそうです。
天栄寺の門前は、日光御成街道が通っていて、南脇には、中山道に通じる細い道が通っていて、辻(十字路)になっていて、交通の要所でした。
そのため、ここの市場は「駒込土物店」と呼ばれるほかに「辻のやっちゃば」とも呼ばれました。 現在は、住宅地となって、昔の面影はありませんが、最盛期には、本郷通りの東側まで広がる大きな市場だったようです。
このように栄えた「駒込土物店」も、昭和12年に、豊島区巣鴨に移転し、現在は豊島市場となっています。
散歩の際に、サイカチという木がどういう木かということが話題になりましたが、天栄寺の参道にサイカチの木が植えられています。
サイカチは漢字では皁莢、梍と表記します。
幹には、トゲがあるのが特徴で、木材は建築、家具、器具、薪炭用として用いるほか、実は去痰や利尿の漢方薬として使用されるようです。
右写真は、石碑の脇に植えられているサイカチの木を眺める参加者の皆さんです。
トゲがあることと葉っぱが山椒に似ていることが話題になりました。
赤印が「駒込土物店跡」です。本駒込駅の至近距離にあります。

