江戸検を受検される熱心な方がいらっしゃることを改めて実感しました。
また、そうした人たちが、このブログを読んでいただいていることもわかり、改めて、私も頑張らなくてはと思った次第です。
さて、「『江戸の食文化』の重要事項一覧」をまとめたいる中で、これはブログに書いておいたほうがよいと気が付いたことがあります。
それは、「年中行事と食事」です。この項目の中に、聞きなれない事項がいくつかありますので、その説明をしておこうと思います。
1月15日は、「小正月」と言いますが、「上元」とも言いました。
上元というのは、三元(さんげん)の一つです。
三元というのは元々は道教の行事で、「上元・中元・下元」の3つの総称です。
上元は1月15日 中元は7月15日 下元は10月15日を指しています。
三元は1年を3等分ではなく、6ヶ月・3ヶ月・3ヶ月に分けているという特徴があります。
三元の中でなじみがふかいのが「中元」で、現代でも「お中元」という呼び名で残っています。
お中元が一般的には7月15日までに贈るとされているのは、「中元」が7月15日を指しているためのようです。
2月8日は「事始め」と言いました。
この日、「六質汁」を食べました。「六質汁」は、「むしつじる」と呼び、別名「お事汁(おこと汁)とも呼ばれました。
近世風俗志(守貞謾稿)の第四巻に「元々は芋、牛蒡、人参、焼き豆腐、こんにゃく、小豆の6種類の具を入れて作った。」と書いてあります。
「六質汁」は具だくさんの味噌汁です。
4月8日は、灌仏会です。今では「花まつり」とも呼ばれて、お釈迦様の誕生をお祝いするお祭りです。
この日には、「いただき・花くそ」を仏に供えると書いてあります。
「花くそ」というのは、すごい名前だと思いませんか?
そこで、「花くそ」というものを調べてみました。
すると、東都歳時記に次のように書いてありました。
「今日仏に供する所の餅を号していただき、又花くそといふ。「年中行事大成」に、花供御(はなくご)の誤にやといへり」
なるほど、「花供御」がなまって「花くそ」になったんですね。
納得しました。
この続きは次回書きます。