「伴四郎会」は、今年の江戸検お題「江戸の食文化」にあわせて、江戸から続いている老舗の食を味わおうという趣旨で、年初から毎月行われていたものですが、私は、多忙等の事情で参加できませんでしたが、今回、ようやく参加できました。
会場となった「かど家」さんはJR両国駅東口から徒歩10分程度の距離にあります。
(下記の地図をご参照ください。)
池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」に出てくる軍鶏鍋屋「五鉄」のモデルとなった店として有名なお店です。
「かど家」さんは安政年間に尾張から江戸に出てきた初代弥八が文久2年(1862)に創業したお店です。
現在は「かど家」と書かれていますが、創業当初は「角屋」と称していたようです。
現在の店の場所は、創業当時と変わっていないそうですが、道路の角にあります。そうしたことから「角屋」と名付けられたそうです。
暖簾をくぐってはいると上がり框があり靴を脱いで座敷に通されるようになっています。
上がり框横に、福沢諭吉の「千客万来」と書かれた書が架けられていて、お店の格が感じされます。
また、隣には、創業当時を描いた絵が掲げられています。本物は焼失しているそうで、複製とのことでしたが、創業当時の面影が感じられます。
「かど家」さんの名物は、「しゃも鍋」です。
「しゃも鍋」の調理は、全て仲居さんがやってくれますので、私たちは、できあがりをまつだけです。
「しゃも鍋」は味噌仕立てで、使用されている味噌は、「八丁味噌」でした。
初代が尾張出身とのことから、「八丁味噌」を使用しているそうです。
「八丁味噌」は赤味噌で、見た目は塩辛く感じますが、実際に味わったみると濃くのある大変おいしい味噌です。
「八丁味噌」が溶かれた汁の中に、肝、砂肝、皮、身が順に入れられていきます。
「しゃも」の産地は、鳥取県の大山の麓とのことでした。「しゃも」といっても、純粋の「しゃも」は肉が硬いため、最近では、ほかの鶏種と交配された「しゃも」が利用されているとのことでした。
しゃものほか、こんにゃく、豆腐、春菊、ねぎなども加えられます。
そうこうしているうちに「しょも鍋」が煮えたので、仲居さんが取分けてくれた軍鶏を溶き卵にからめて食べましたが、しゃも肉は 非常に柔らかくて、八丁味噌の味とマッチしていてすごく美味しかったですね。
最初は、仲居さんに取分けてもらっていましたが、取分けてもらうのが待ち遠しくて自分で鍋から取分けて食べるほどの美味しさで大変満足しました。
「しゃも鍋」を堪能した後は、御飯に鍋に残った汁をかけて食べさせていただきましたが、この味もすばらしいものでした。
御飯のおかわりもしたいところですが、満腹でしたのでやめておきました。
「かど家」さんには、池波正太郎さんもよく来られたそうですが、女将さんの馬場様のご配慮で池波さんが利用していたお部屋も拝見させていただきました。
上がり框正面にあり、中庭の見える五畳半の部屋でした。
四人が座れるテーブルがありました。
「先客がなければどなたでもご利用になれます」との女将さんのお話でした。
「家族と一緒にまたお邪魔したい」と伝えたところ、「ぜひ、池波先生がご利用になっていた部屋をご利用ください」とのおっしゃってくださいました。
女将さんありがとうございました。
「かど家」さんでは、「かど家」ブランドの焼酎もあります。
鹿児島の芋焼酎だそうですが、芋焼酎特有の臭味もなく、すっきりした味でした。
こうした焼酎や日本酒・ビールなどを飲みながら、そして、「しゃも鍋」をつつきながら、「伴四郎会」の面々から近況報告がありました。
熊野古道や成田街道のなど街道歩き、古文書の話、奈良検定の話、軍師官兵衛など、色々な話が紹介され、みんなの各分野での活躍ぶりに元気をもらいました。
その中でも、話題の中心になったのが、終わったばかりの「江戸検」でした。
「江戸検」の問題も持っていた人がいたので、それを解いてみようとのMさんから提案がありました。
そこで、いくつかの問題が出されましたが、さすが、一級の面々、受検勉強をしているわけではありませんが、なんなく解いていったのには驚かされました。
例えば「没後、征夷大将軍の称号をもらった人物は誰か」については、月猫さんが即答でした。
「『玉川の鮎もちっとで皆ごろし』と川柳に詠まれた大事件は何か」についてはYさんが即答でした。
「長崎で大田南畝が飲んだ飲み物は何か」という問題も帰りがけに話題になり、Hさんからは、「この話は、江戸から勉強していっている我々には難問ですが、コーヒーを勉強している人にとっては常識なんですよ。」という話もありました。
いやはや、久しぶりにみんなに会って、みんなの博識ぶりに改めて驚きました。
名店「かど家」さんでの「伴四郎会」は、お腹も一杯、情報も一杯、楽しさも一杯、元気も一杯の有意義な一晩でした。
「かど家」さんありがとうございました。
そして「伴四郎会」の皆さんありがとうございました。
幹事役のMさんとTさん、大変お世話になりました。
最後に、記念撮影です。フラッシュをセットしなかったので、写り具合はいまいちでした。
でも、皆さんの満足そうなお顔は写せたと思いますのでご参加の皆さんご容赦ください。
「かど家」さんは、赤印の場所です。