今回は大好きな幕末が主題となりますので、大いに期待しているところです。

今回の大河ドラマ「花燃ゆ」は、あくまでも主人公は、杉文(ふみ)ですが、彼女を取り巻く兄吉田松陰、最初の夫久坂玄瑞、2番目の夫小田村伊之助、松陰の弟子高杉晋作たちも準主人公といってよいでしょう。
それは、第1回ドラマが冒頭の次のナレーションで始まっていることをみてもわかると思います。
名もなきこの若者体が後の明治維新という大変革を成し遂げることになる。
彼らが「先生」と慕った人物こそ、山鹿流兵学指南吉田松陰。
その松陰を愛し支えた家族がいた。歴史に名を残すことなくともささやかな暮らしの中で代々いのちをつなぎそれぞれの人生を力強く生き抜いた人たち。
そして、多くの若者をはぐくんだ一人の女性。
これは吉田松陰の妹・文とその家族、仲間たちが生きた激動の時代の物語である。
NHKのHPやテレビ雑誌には「幕末のホームドラマ」や「幕末の学園ドラマ」と書いてありますが、「花燃ゆ」は「幕末の青春ドラマ」となるのではないでしょうか。
ですから、第1回から、吉田松陰や小田村伊之助たちはもう成人しています。
嘉永3年(1850)の設定ですので吉田松陰は、もう21歳の成人です。
嘉永3年といえば、吉田松陰は、九州遊学に出て、多くの人と出会い、多くのことを学んだ年です。
ドラマの中では、少しだけ触れられていましたが、生涯の友となる宮部鼎蔵と知り合ったのも、この九州遊学でした。
この後、吉田松陰は30歳で刑死しますが、これから5月頃まで吉田松陰の軌跡が描かれる予定のようですので、吉田松陰を中心とした激動の時代が丁寧に描かれていくのではないかという期待が持てるスタートでした。
ところで、主人公が杉文で、その兄が吉田松陰と、ごく当たり前のように解説されていますが、事情を知らない人は、苗字が違うのになぜ兄妹なのだろうと、ちょっと不思議に思うと思います。
そこで、吉田松陰の生い立ちをついてお話しておきます。
吉田松陰は、文政13年(1830)、萩城の下松本村で長州藩の下級武士である杉百合之助の次男として生まれました。
松陰の父の百合之助には、弟が2人いました。
すぐ下の弟は大助といい、その下の弟は文之進といいました。
このうちの大助は、山鹿流兵学師範である吉田家の養子となり、文之進は玉木家の養子となりました。
この叔父吉田大助は28歳の時に病が重く子供がいなかったため、寅次郎(のちの松陰)は5歳で、吉田大助の仮養子となりました。
そして、叔父の吉田大助は、翌年になくなり、寅次郎が吉田家の家督を継ぎました。
このため、姓が杉から吉田となりました。
しかし、寅次郎はまだ幼かったため、実家の杉家で育てられました。
ですから、寅次郎は妹の文とも一緒に暮らしていました。
また。第1回目にしばしば登場した玉木文之進は、実の叔父さんです。松陰が幼い頃から松陰を指導をしていました。
松下村塾は、吉田松陰が造った私塾のように思われがちですが、実は松下村塾を開校したのは、玉木文之進です。
正しくいうと、吉田松陰は3代目の塾長ということになります。
今回の主人公杉文は、あまり歴史の表にたった女性ではありませんので、史料もあまり残されていないようです。そして、小田村伊之助や杉家の人たちについても史料も少ないようです。
したがって、「花燃ゆ」が史実を忠実に再現していくことにはならないだろうと思います。
第1回での、小田村伊之助と文や吉田松陰との出会いの場面などは、脚色されたものだろうと思います。
しかし、大河ドラマは、あくまでも「ドラマ」ですので、「ドラマ」として楽しめればよいと思います。
吉田松陰に関しては極力史実に近いものとなるでしょうが、その周りの人々のエピソードは創作されたものとなるでしょう。
創作のエピソードと史実がどう絡まって展開していくのか、これからの展開が楽しみな「花燃ゆ」でした。

