明日2月8日は、「事納め」です。
「東都歳事記」には
正月事納め、家々笊目籠を竹の先に付けて屋上に立る(或は事始といふ)
と書いてあり、注解には、
ことは祭事のものいみ(忌み)の意味。籠を立てるのは神を招きおろすためであろう。このことを正月と解して12月8日を事始(ことはじめ)、2月8日を事納めとする考えが導かれる。
と書かれています
一方で、 「東都歳事記」にも括弧書きされていますが、2月8日を「事始」とし12月8日を「事納」とする説も、江戸時代からあって、どちらが正解かなかなかはっきりしないようです。
ちなみに守貞謾稿には、 「二月八日 御事始め」 と書かれています。
この日には、「御事汁(おことじる)」を食べたようです。
守貞謾稿には
この日、江戸毎戸、御事汁(おことじる)と号して、芋・牛蒡・人参・焼豆腐・蒟蒻等に粒赤大豆(つぶあずき)を加え、味噌汁を煮る。近年は小豆を用ひず、専ら大角豆をもってす。
京坂、今日これを食ぜず、平日食すことあり。号して煮込と云ふ。にこみと訓ず。江戸にて、従弟煮と云ふ
「御事汁」は、守貞謾稿に書かれているように「従弟煮(いとこに)」と呼ばれていたようですが、「六質汁(むしつじる)」とも呼ばれます。
滝沢馬琴の書いた「 俳諧歳時記栞草(しおりぐさ)」には
牛蒡・芋・大根・赤小豆等の六種を烹て汁とし、これを六質汁となづく
と書いてあります。
「御事汁」を作るのは、根菜類の味噌汁ですからそんなに難しくなさそうですね。
ただし、小豆が入るのがちょっと違うところかもしれませんが・・・
2月7日夜追記
「御事汁」を作ってみました。
守貞謾稿に書かれている材料で作りました。
それが、右上の写真です。
小豆の入った味噌汁も結構おいしかったです。
「 俳諧歳時記栞草(しおりぐさ)」には、その後に続いて「針供養」についても書いてあります。
婦人は針の折れたるを集めて淡島の社へ納め、一日糸針の業を停む。是を針供養と云
2月8日の「針供養」は、女性が折れた針や錆びた針を供養する行事ですが、この日、女性は針の供養のため針仕事を休むこととなっています。
つまり、「針供養」は、針を供養するとともに、女性が休める日ともなっているわけです。
浅草寺には、「淡島堂」という御堂が本堂の西側にあります。
元禄年間に紀州加太(かだ)の淡島明神を勧請したもので、現在の淡島堂は、戦後の仮本堂だったものです。
ここで、2月8日に「針供養」が行われます。
お時間がありましたら、お出かけになられたらいかがでしょうか!