人気ブログランキング | 話題のタグを見る
小栗上野介終焉の地を訪ねる
 今度の土曜日に、毎日文化センターの「神田祭を学ぶ」講座 があります。
 神田明神で神田祭についてお勉強した後は、湯島聖堂や御茶ノ水周辺の史跡を木下栄三さんと分担してご案内させていただく予定です。
小栗上野介終焉の地を訪ねる_c0187004_16015587.jpg その際に、私は小栗上野介の生誕地等をご案内する予定です。
 その準備のため、日曜日に、小栗上野介の菩提寺の東善寺がある高崎市倉渕町に行ってきました。
 倉渕町は、埼玉より少し寒いと見えて、ちょうど桜が満開でした。
 先日、墨堤で満開の花見を楽しんだので、今年は、満開の桜を2度楽しむことができました。

 小栗上野介の菩提寺である東善寺には、事前に御住職がいらっしゃるかどうか尋ねてからお邪魔しました。
小栗上野介終焉の地を訪ねる_c0187004_16551578.jpg というのは、東善寺の御住職村上  泰賢様は、小栗上野介の研究の泰斗で、「小栗忠順のすべて」(新人物往来社)をはじめ多くの小栗上野介に関する本を書かれていますので、是非お会いしたいと思っていたからです。
 9時過ぎにお邪魔しましたが、御住職は、いらっしゃってくださいました。
 境内内の拝観はご自由にということですので、お墓にお参りさせていただいた後、小栗上野介について、お話を伺いました。
 御住職は、小栗上野介がアメリカに派遣された際にアメリカに大歓迎された様子やワシントン海軍造船所で大きな刺激を受けたということ、その見聞に基づき小栗上野介が横須賀造船所を築いたこと、富岡製紙場は横須賀造船所の技術を導入して建設されたこと、しかし、小栗上野介の功績が広く知られていなくて残念に思うということなどを熱くお話いだだきました。

 訪ねたのが日曜日でもあり、法事があったり、次々と小栗上野介のお墓を訪ねてくる拝観者の対応もあり大変お忙しい中でのお話でした。
小栗上野介終焉の地を訪ねる_c0187004_23013842.jpg 小栗上野介を尊敬する方がブラジルからはるばるグループで来られたことから、その方々のご対応という事で、御住職のお話が終わりとなりましたが、30分近くお話を伺うことができました。
 御住職は、広く深い知識をお持ちで、また小栗上野介顕彰についての熱意も一方ならないことを感じ、大変感銘しました。
 御住職は「小栗上野介-忘れられた悲劇の幕臣 」(平凡社新書)という本も書かれていますが、本を事前に購入して読んでいたのでサインをしていただきました。
 村上御住職様、大変お世話になりました。本当にありがとうございました。
 そして御住職の奥様にもご親切に対応していただきました。ありがとうございました。


小栗上野介終焉の地を訪ねる_c0187004_16562021.jpg 境内には、小栗上野介のお墓があります。
 小栗上野介は、慶応4年(1868)閏4月4日、小栗は新政府軍により東善寺にいるところを捕縛され、閏4月6日、取り調べもされずに、烏川の水沼河原で家臣たちととも斬首されました。
 そして、小栗上野介の子供である小栗又一も、護送監禁されていた高崎藩で、翌日閏4月7日に斬首されました。
 東善寺の墓域には、小栗上野介、小栗又一のお墓を始め、家臣たちなど関係者のお墓があります。
 右写真の中央下のお墓が小栗上野介のお墓、左隣は小栗又一のお墓です。

 ちょうど小栗椿と呼ばれる椿が満開でした。
 この椿は、上野介父子が殺されたあと、江戸から届いた江戸からの引越荷物のなかにあった「鉢植えの椿」を、小栗家旧領地下斉田村(高崎市)の名主が、いったん買い取った後、明治初年に墓のそばに植えたものだそうです。
 小栗上野介が愛でていた椿は、「崑崙黒(こんろんこく)」という黒椿の名花だそうです。

 
小栗上野介終焉の地を訪ねる_c0187004_17124881.jpg 小栗上野介は、倉渕町の水沼河原で斬首されました。
 その斬首された場所には、「偉人小栗上野介 罪なくして 此処に斬らる」と刻まれた顕彰慰霊碑が建てられています。
 昭和7年地元の有志等によって建てられたものです。
 顕彰碑建立当時、碑文の「罪なくして」という語句が問題になりましたが、村人たちの願いが通り、この語句のまま、建立されたという逸話が残っているそうです。
 

 倉渕町には、道の駅があります。
小栗上野介終焉の地を訪ねる_c0187004_17160958.jpg この道の駅は 「くらぶち 小栗の里」と名付けられていて、「小栗」という名前が使用されていることに、小栗上野介に対する思い入れが感じられます。
 この道の駅には、地元の物産を販売するコナーや食事処などがあります。
 その一画に小栗上野介を紹介する展示物がありました。
 これは、屏風形式でもって、小栗上野介の業績を紹介するものでした。
 東善寺の御住職ご夫妻は、小栗上野介を「小栗様」と呼ばれていましたが、ご夫婦を始め、倉渕町全体が小栗上野介を顕彰し広く知らしめようと考えていることが感じられました。

 小栗上野介の業績と経歴については、もう少し取材を重ねて、5月には連載で詳しくブログにアップしようと思っています。

 東善寺での拝観が終わったのは12時近くでした。
小栗上野介終焉の地を訪ねる_c0187004_09260329.jpg 小栗の里での、お昼ご飯は、東善寺の御住職の奥様からご紹介をいただいた「満寿池」の「ます重」を食べてきました。
 「満寿池」は、草津街道沿いにあるお店で、釣り堀もあります。

小栗上野介終焉の地を訪ねる_c0187004_09263830.jpg 「ます重」は、さんまの蒲焼きをヒントに考案されたニジマス料理だそうです。
  
 注文すると、お店の裏庭にある養殖池からニジマスを捕って調理をしてくれました。
 「ます重」は、見た目には、うな重のように見えますが、うな重よりあっさりしていて、その身は柔らかですが、サクッとした歯ごたえがありました。
 甘味のあるタレもかかっていて、おいしくいただきました。タレは秘伝だそうです。

 天気も良く、御住職のお話もすばらしく、ご夫妻の御対応も親切で、桜や小栗椿が満開で、「ます重」もおいしいという、良いことづくめの「小栗の里」訪問でした。




by wheatbaku | 2015-04-14 08:00

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
ブログジャンル
歴史
日々の出来事