「流行神」は「はやりがみ」と読みます。
「流行神」ってどんな神様かご存知です?
あまり知られていないだろうと思います。
その「流行神」が、今年のお題の参考図書「祭りだわっしょい 江戸の祭礼と歳事」の中に書かれています。 後半に書かれているので、まだ、読んでいない方も多いだろうと思いますが、「流行神」とは、江戸学事典には次のように書かれています。
特別な霊験が示されるのを契機として、いっせいにはやり楽車、あっと云う間に遠隔地までその名称が知られるようになり、人々の群参が一定期間つづく。しかしその後はすっかりすたれてしまい、次第に忘れ去れ、その地域でひっそりと祀られている神仏のあり様をさす。
「江戸の祭礼と歳事」の中に、嘉永2年に「日本橋四日市の翁稲荷」「新宿正受院の奪衣婆」「お竹大日如来」が「流行神」となったと書いてあります。「新宿正受院の奪衣婆」は、以前から知っていましたし、何度か行ったことがありますが、しばらく行っていないので、海の記念日に高田富士に行った日に、新宿まで足を延ばしました。
正受院は、東京メトロ「新宿御苑前」駅から徒歩5分で靖国通りに面した位置にあります。 正受院は、文禄3年(1594)に創建された浄土宗のお寺です。「正受院の奪衣婆」は、入り口得脇のお堂の中に鎮座しています。(右写真)
奪衣婆というの、「三途の川」 のほとりに立っていて,亡者の衣類をはぎ取る鬼婆です。
新宿区教育委員会の説明板によれば 「正受院の奪衣婆」は、小野篁の作であるとの伝承があり、また田安家所蔵のものを同家と縁のある正受院に奉納したとも伝えられているそうです。
また、像底のはめ込み板には「元禄14辛己年奉為当山第七世念蓮社順誉選廓代再興者也七月十日」と墨書されており、元禄年間から正受院に安置されていたことがわかるそうです。
この奪衣婆像は、片膝を立てていて、右手で握っているのは、亡者たちから奪い取った衣服です。
頭から肩にかけて頭巾状に綿を被っているため「綿のおばば」とも呼ばれますが、これは、咳止めに霊験があるとされていて、綿は咳止めのお札参りに奉納したと伝えられています。

「藤岡屋日記」には、大勢の参拝客が押し寄せてきて、正受院の僧が暴利を貪ったので、寺社奉行の脇坂淡路守からけん責を受けたことが書かれているようです。
それほど、賑わったということですね。
赤印が正受院です。新宿三丁目からもそれほど遠くないですね。

