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久米の平内(願懸重宝記⑤ 江戸の祭礼と歳事)

 今度の日曜日には、江戸楽アカデミーで「江戸検1級直前特訓講座」があります。

 江戸検の試験日まで、あと一か月あまりとなり、江戸検を受検される方には最も大切な時期になりました。

 あと1か月間どのように勉強するか、自分の体験をもとにお話ししてこようと思います。

 ところで、このブログを読んでいる方で受講いただく方もいらっしゃると思いますが、「江戸博覧強記」を持参のこととなっていますので、お忘れないようにして下さい。

 

久米の平内(願懸重宝記⑤  江戸の祭礼と歳事)_c0187004_09383509.jpg さて、今日は、江戸楽アカデミーの準備で忙しい中ですが、「江戸神仏願懸重宝記」のうちの「久米の平内」について書いていきます。

 「久米の平内」は、浅草寺にお祀りされています。

 しかも、仲見世の店舗がきれた宝蔵門の手前の広場の東側という大勢の参拝客が通行する場所にお祀りされています。

 しかし、ご存知でない方が多いのではないでしょうか。

 

 現在は、久米平内堂という小さなお堂が建てられています。

そして、よく眺めると台東区教育委員会の説明板も建てられていて、次のような説明がされています。

 久米平内堂(くめのへいないどう)

久米の平内(願懸重宝記⑤  江戸の祭礼と歳事)_c0187004_09392087.jpg 久米平内は江戸時代前期の武士。『武江年表』によると、天和3年(1683)に没したとされるが、その生涯については諸説あり明らかではない。

 平内堂には次のような伝承がある。平内は剣術に秀でており、多くの人をあやめてきた。後年、その供養のために、仁王坐禅の法を修業し、浅草寺内の金剛院に住んで禅に打ちこんだという。臨終にのぞみ自らの姿を石に刻ませ、多くの人に踏んでもらうことによって、犯した罪を償うために、この像を人通りの多い仁王門付近に埋めたと伝える。

 その後、石像はお堂に納められたという。「踏付け」が「文付け」に転じ、願文をお堂に納めると願い事が叶うとされ、江戸時代中期以降、とくに縁結びの神として庶民の信仰を集めた。

 平内堂は、昭和20年(19453月の戦災で焼失した。現在のお堂は昭和53年(197810月に浅草寺開創1350年記念として再建されたものである。

このように、多くの人が通行する宝蔵門前にありながら、多くの方が振り向きもせず、通り過ぎていきます。

台東区教育委員会の説明板によれば、「久米の平内」は、縁結びの神様として信仰されたとなっています。

 私も、浅草寺のガイドの際には、そのように説明してきました。

 しかし、「江戸神仏願懸重宝記」によれば、諸願成就の神様として信仰されたと書いてあります。
 その方法として、
願いを書いた文書を祠に納め、願いが成就した際には、鳥居や絵馬を奉納すると書いてあります。

 浅草寺をお参りした際には、「久米の平内」もお参りしてお願い事をするのもよいかもしれません。
 「久米の平内」の石像が平内堂にお祀りされているそうですが、その石像をみるのは難しくて、私は実物をみたことはありません。


 赤印が久米平内堂です。 宝蔵門(青印)の目の前にあります。






by wheatbaku | 2015-09-18 09:27 | 江戸の祭礼歳事

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
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