今日は、先日出題した9回目の「江戸の祭礼と歳事」に関する模擬試験の正解をアップします。
今回もお題の参考図書「祭りだわっしょい! 江戸の祭礼と歳事」から出題してあります。
8月に行われた夏検では、年中行事に関する問題が2級では6問、3級では9問出題されています。
夏の江戸検講座で受講者の皆さんに「年中行事は要注意」といっていた通りの傾向でした。
そこで、今回は年中行事に関する問題だけを出題しましたが、あまり知られていないことを問題としたため難しかったかもしれません。
たとえ正解に到達しなくても、まだ1か月ありますので、参考図書を勉強する時間は十分あります。
この模擬試験が参考図書精読のきっかけになれば幸いです。
1、④薬研堀不動尊
歳の市は、12月15日の富岡八幡宮から始まりますが、縁日とあわせて開催されることが多かったようです。
例えば、天神様の縁日は25日でした。そこで12月25日26日は平河天満宮で歳の市が開かれています。
28日はお不動様の縁日です。それに合わせて両国(現在の東日本橋)にある薬研堀不動尊で開かれる歳の市が、江戸で最後の歳の市となりました。
参考図書P143を参照してください。
2、②眼病
灌仏会で甘茶をかけるのは良く知られていますが、これは、釈迦誕生の際に帝釈天・梵天および九龍が香水で洗浴したということに由来すると三省堂「年中行事事典」に書かれています。
この甘茶が眼病に効くとされたことが、参考図書P132に書かれています。
3、③皐月狂言
この問題は間違えた人が多いのではないでしょうか?
曾我狂言といえば初春狂言と思っている人が多いと思います。
私もそう思っていた一人ですが、参考図書のP146に詳しくかかれていますので、気を付けて読みなおしてください。
また、東都歳事記の五月二十八日に「三芝居曾我祭」として書かれていますので、東都歳事記をお持ちの方はこちらも確認しください。
4、①お花講
これは参考図書のP135に書かれています。
「お花講」というのはおもしろい名前だなと思ってインターネットで検索しました。
伊勢原市のニュースリリースに書かれていますが、それによると、「お花講」は、日本橋小伝馬町の講で、大山三大講の一つにかぞえられた大きな講のようです。
5、④灸をすえる
参考図書P128を参照してください。
次のような川柳があります。
可愛さの あまり泣かせる 二日灸
二日には 母も子のため 鬼になり
6、③4間の座敷に台所が1間ある島市丸
東都歳事記の五月の「船遊山」という項目に、「熊市丸」「山市丸」「窮屈丸」が書かれていますが、「島市丸」は書かれていません。
東都歳事記をお持ちの方は確認しておいてください。
7、②今戸の硯
参考図書P129を参照してください。
初午の日は、江戸では手習い師匠の入門の日とされることが多いということは、1級を受検される人には常識レベルと考え、少し難しくしました。
初午は要注意事項ですので、よく読んでおいてください。
8、①たこ
参考図書P133をよく読んでおいてください。
今年は大阪でも江戸検を受検できるようになりました。
江戸だけでなく関西の年中行事も要注意と思います。
そこで、関西関係の問題を出題しました。
9、①鶏の絵
参考図書P142を参照してください。
荒神様については、過去に出題されたこともありますので、よく理解しておいてください。
昨年には、品川の海雲寺の「千体荒神祭り」に行ってきましたが、鶏の絵が描かれた絵馬は売っていませんでした。
そこで、要注意と考えて出題しました。
「鶏の絵馬は何除けのためか?」などという問題が出ると意外に難しいかもしれません。
10、②お中入り
町入能の実施日についてはコメントで指摘をいただきましたが、江戸検の模擬試験ですので、参考図書P130の記述をもとに出題してあります。
この記述は町入能についてかなり詳しく書かれていますので、よく読んでおいたほうがよいと思います。
傘を受取ったことなどは要注意だと思います。