於岩稲荷田宮神社の現在の宮司さんは、田宮家11代目だそうです。
つまり、お岩様の御子孫になり、お岩様の御子孫が、現在もお岩様をお祀りしているということになります。
そうしたことから、今回は、於岩稲荷田宮神社の社殿の裏にある、江戸時代から使用していたという井戸を特別に見させていただきました。
この井戸は、江戸時代から使用していたようです。
お岩様が生きていた寛永年間にあったかどうかは、記録が残されていないため、はっきりしないそうですが、田宮家には江戸時代から使用していたと伝わっているそうです。
江戸時代、中期以降は、深い井戸を掘る技術が発達したといわれていますので、江戸時代のものがあっても不思議ではないように思います。
昔は周辺にかなりあった井戸も、最近はほとんどなくなってしまい、現在では珍しいもののようです。
実際に井戸を見させていただきました。
四谷周辺は、地形上は台地になることから、非常に深い井戸で、深い底には清水が満ちていました。
於岩稲荷田宮神社では、現在は、保健所の指導もあって、飲用水としては利用していないものの、神社境内の清掃や樹木への散水に利用しているそうです。
於岩稲荷田宮神社様、特別なご配慮いただき、大変ありがとうございました。
お岩様が鶴屋南北の「東海道四谷怪談」の主人公とされたので、お岩様とお祀りする「於岩稲荷田宮神社」には、多くの芸能関係者からの奉納があります。
石垣にも、歌舞伎座・明治座をはじめ多くの芸能関係者の名前が刻まれています。
先日、お参りした際には、人間国宝の講談師一龍斎貞水さんから奉納された幕が新しく掲げられていました。
一龍斎貞水さんは、「立体怪談」が考案したりして、「怪談の貞水」とも呼ばれています。
講談師として初の全編読みきり『四谷怪談』<全5巻>を出版していて、大変、於岩稲荷田宮神社とは縁が深いそうです。