江戸の十大大火、今日は「水戸様火事」についてです。
「水戸様火事」は元禄16年11月29日に、水戸藩徳川家の小石川の上屋敷から出火した火事です。
「水戸様火事」というのは、水戸藩邸が出火元による呼び名だろうと思います。
元禄16年11月23日に元禄地震が江戸を襲いました。
そして、その後の余震は連日続きました。
そうした中、11月29日の午後7時ごろ大きな震動がありました。
そのころ小石川の水戸藩上屋敷から出火しました。
火事は東に進み湯島聖堂や神田明神を焼いた。そして本郷に広がり加賀藩前田家上屋敷(現在の東大本郷キャンパス)から駒込近辺までを延焼しました。
ここで風向きが北西に変ったので、猛火は進路を変えて不忍池のほとりにあった寺院を燃やした後、谷中から上野の寛永寺に迫り、西側の子院が炎上しました。
不忍池付近の火は池之端から湯島天神に接近し、さらに現在の秋葉原・御徒町一帯を火の海にしました。
午後10時ごろから季節風がいっそう強くなり、浅草橋も焼失し、両国橋も焼け落ちてしまいました。
火災はさらに隅田川を越えて本所・深川に広がり、回向院・霊厳寺などの寺社が灰になりました。
この水戸様火事が鎮火したのは翌12月1日の早朝でした。
焼失した大名・旗本屋敷は275、寺社は75にのぼりました。
火災の間にも地震が5,6回あり、人々は。地震火事”とも呼びました。
水戸様火事は地震と火災の複合災害であったと言われています。