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小泉八雲(雑司ケ谷霊園に眠る有名人③)

雑司ケ谷霊園に眠る有名人の3回目は小泉八雲です。

 小泉八雲は、岩瀬忠震のお墓からあまり遠くない1-1-8にあります。

 小泉八雲の生涯を『神々の国 ラフカディオ・ハーンの生涯』(工藤美代子著 集英社刊)を参考に紹介します。

c0187004_23173463.jpg 小泉八雲は、明治29年に帰化し小泉八雲となりました。それ以前はラフカディオ・ハーンといいます。

ラフカディオ・ハーンはアイルランド人の父とギリシャ人の母の子供としてギリシアのレフカダ島で生まれました。レフカダ島からラフカディオというミドルネームが付いたと言われています。

 アイルランドで幼年期を過ごし、19歳で渡米しアメリカでジャーナリストとして活躍しました。

明治23年来日し、来日後に松江中学(正しくは島根県尋常中学校)の教師の仕事を紹介してもらい、松江に赴任し英語教師として教鞭を執るようになりました。

c0187004_23182883.jpg その年の年末に小泉セツと結婚しました。

小泉セツは、ハーンの世話をしてくれる女性だったそうです。
 セツは18歳年下でした。
 セツのお墓は小泉八雲の向かって左隣にあります。(右上写真)

小泉八雲は、松江を大分気に入ったようです。

松江ではハーンではなくヘレンと呼ばれていたそうです。

二人の新居は「小泉八雲旧居」として松江市に残されているようです。

明治2411月に、八雲は松江を去り、熊本に移ります。冬の寒さが堪えがたいというのがその大きな理由だそうです。

1115日家を去る時には、自宅の前には約200名に生徒がかけつけたと「神々の国」(工藤美代子著)に書かれています。

熊本の第五高等学校にでは3年教鞭をとりました。

校長は、弘道館柔道の創始者として有名な嘉納治五郎でした。

ここで、「この学校の漢文の老先生で、みんなからひとしく尊敬されている人」と書いた元会津藩士秋月悌次郎と出会います。

この秋月悌次郎を評して小泉八雲が「神のような人」といった言葉は、秋月悌次郎を語る時は、必ず引用される有名な言葉です。

こうした出会いがあった熊本でしたが、八雲にとっては熊本は松江と比べて好ましい土地ではなかったようです。さらに同僚との確執もあって、第五高等学校を辞めて、神戸の英字新聞社に勤めました。

そして、明治2944歳の時に日本に帰化し小泉八雲と名のります。

 小泉はセツ夫人の家の苗字で、八雲は「八雲たつ 出雲八重垣妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」という日本最古の和歌といわれる素戔嗚尊の和歌からとったものです。

 『神々の国』(工藤美代子著)によれば、小泉八雲自信が、手紙の中で「八雲とは八つの雲という意味で、日本語の現存する和歌の中で最も古い歌の最初の部分から取り入れた名です」と書いているそうです。

神戸の出版社に勤務している時に、東京帝国大学の英文学の講師に迎えらました。

c0187004_23194913.jpg東京での新居は市谷富久町に構えました。
 ちょうど自証院というお寺の近くでした。

 自証院は、尾張藩主徳川光友が夫人の千代姫の母の自証院を供養するために建立したお寺です。自証院は、現在も残されていています。(右上写真)

 自証院と道路を挟んだ西側に成女学園があります。

c0187004_23201172.jpg その正門脇に小泉八雲旧居跡と刻まれた石碑と新宿区教育委員会の説明板が建てられています。(右写真) 

 小泉八雲をこの自証院の木立が生い茂る雰囲気をこよなく愛し、よく境内を散歩したそうです。

しかし、この自証院の住職がかわり、木立が切り払われていくと、八雲は雰囲気が壊されていくのに耐えかねて、西大久保に転居します。

西大久保の屋敷は、もとは板倉子爵の屋敷だったそうです。ここが終焉の地となります。

c0187004_23202507.jpgこの場所は、現在は、小泉八雲記念公園となっています。

小泉八雲記念公園は、平成5年につくられたもので、小泉八雲の縁で友好都市となっているギリシアのレフカダ町の助言を得たものでギリシア風の公園となっています。

公園内には、小泉八雲の銅像が設置されています。(右下写真)

c0187004_23312411.jpg 東京帝国大学では7年務めたあと、明治36年に東京帝大をやめています。

 東京帝大での待遇等が厳しくなりやる気がなくなったことが大きな理由のようです。

 八雲が辞める際には、学生たちから留任運動が起きたそうです。

 八雲のあと、講師となったのが夏目漱石です。

 浪人になった小泉八雲は明治37年早稲田大学に迎えられ教鞭をとり始めました。

しかし、その年、明治37926日狭心症でなくなりました。

最後の言葉は、日本語で「ああ、病気のために・・・」だったそうです。54歳でした。
 葬式は旧宅近くの市谷の自証院で仏式で行われました。
 そして、八雲が生前好んで散策した雑司ケ谷にある雑司ケ谷霊園に埋葬されました。

八雲は青山墓地はひどくにぎやかであまり好まず、雑司ケ谷のほうが「場所も淋しく形勝の地でもある」というので、決めたそうです。

 今年の江戸検の問題に次のような問題が出題されました。

【5】安政元年(1854)の安政南海地震の際、紀伊国広村の濱口梧陵は津波の襲来を察知して、村人を高台に避難誘導しました。このとき、梧陵が村人の注意をひくためにとった手段は、次のうちどれでしょう?

い)稲むらに火を放った  ろ)鉄砲を乱射した 

 は)寺の鐘を乱打した  に)花火を打ち上げた

 これは、正解は、もちろん い)です。

 この話は「いなむらの火」として大変有名です。

 この「いなむらの火」の元になった小説が『天下大変 江戸の災害と復興』に書かれている通り、小泉八雲の『Living God(生神)』です。

 この『Living God』は、『いなむらの火』というサイトによれば、小泉八雲が明治29年(18966月に起こった三陸大津波の三ヶ月後に書き上げ、明治30年(1897)に出版された『Gleanings in Buddha-Fields(仏の畑の落穂)』の冒頭の作品として発表されたものだそうです。



by wheatbaku | 2016-11-19 23:10 | 大江戸散歩

江戸や江戸検定についてに気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
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