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坂本龍馬が暗殺された近江屋(『幕末』)

坂本龍馬が暗殺された近江屋

  江戸東京博物館の「没後150年 坂本龍馬」展に展示されているものの中に、井口家寄贈という物が数多くあります。

 図録でみると「坂本龍馬の紋服」や「絵画・書跡貼交屏風」などがそうです。

 重要文化財の「坂本龍馬の紋服」は、坂本龍馬の着ていた黒地羽二重の紋服で、坂本家の家紋入ったもので、坂本龍馬の体格を知ることのできる遺品です。

 同じく重要文化財の「絵画・書跡貼交屏風」は、坂本龍馬暗殺が暗殺された近江屋の二階の部屋にあったもので、左下の猫図のあたりに多量の血痕が見られるものです。

 これらは、昭和15年に井口家から京都国立博物館に寄贈されたものだそうです。

 この井口家というのは、聞きなれないと思う方が多いと思いますが、井口家は坂本龍馬が暗殺された醤油商近江屋のことです。

 近江屋を経営していたのが井口家で、当主は代々井口新助を名のっていました。

近江屋は土佐藩の御用達でもあったことから土佐藩士とのつながりが深く、土佐藩邸に坂本龍馬暗殺を知らせたのも井口新助です。
 ちなみに土佐藩邸は、近江屋からあまり遠くない高瀬川沿いにありました。

井口家から京都国立博物館に寄贈された坂本龍馬関係のものは、近江屋に伝来したものです。

 その坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された近江屋跡は、現在は回転ずし「かっぱ寿司」になっています。

坂本龍馬が暗殺された近江屋(『幕末』)_c0187004_22104741.jpg

 お店の前の「坂本龍馬・中岡慎太郎遭難之地碑」がないと見つけるのが大変です。

多くの人は、それがあるのにも気が付かずに通り過ぎているのだと思います。(下記写真が「坂本龍馬・中岡慎太郎遭難之地碑」と京都市の立てた説明板です)

坂本龍馬が暗殺された近江屋(『幕末』)_c0187004_22105246.jpg

 ここで、坂本龍馬と中岡慎太郎が、慶応3年11月15日、暗殺されました。

 その時の様子は、過去にブログに書いていますので、下記記事をご覧ください。

 龍馬襲撃 (龍馬暗殺犯は誰②) 

 今年(平成29年)3月に訪れた時は「かっぱ寿司」でしたが、この記事を書いた時には、お店が「サークルK」でした。(下記写真) 変化の激しさにびっくりしました。

坂本龍馬が暗殺された近江屋(『幕末』)_c0187004_22105693.jpg

 この近江屋に坂本龍馬がいつ投宿したのかというのは明確ではないようです。
 しかし、慶応3年10月18日付で土佐藩士望月清平に出して坂本龍馬の手紙が残されています。

 その内容は後記ですが、概略次のように書かれています。

 

昨夜薩摩の吉井友実が、まだ土佐藩邸に入ることができないようだが、「四条ポンド町位」(実は近江屋)では危なくて仕方がないので薩摩藩邸に来いと言ってきた。しかし過去に脱藩したことがり、土佐藩邸に入るわけにはいかない。ました、薩摩藩邸に入ったらイヤミになる。万が一の場合には主従一戦を交えて土佐藩邸に逃げ込む決心をした。

 龍馬の手紙の原文は次の通りです。少し理解しやすくなるように付記した部分があります。

然ニ小弟宿の事、色々たずね候得ども何分無レ之候所、昨夜(薩摩)藩邸吉井幸輔より、こと伝(ことづて)在之候ニ、未(いまだ)屋鋪(土佐屋敷)ニ入事あたハざるよし。四條ポント町(四条先斗町)位ニ居てハ、用心あしく候。其故ハ此三十日計(ばかり)後(あ)ト、幕吏ら龍馬の京ニ入りしと謬伝(びゆうでん)して、邸江(土佐藩邸へ)もたずね来りし。されバ二本松薩邸(薩摩藩邸)ニ早々入候よふとの事なり。小弟(龍馬)思ふニ、御国表の不都合(土佐国脱藩罪)の上、又、小弟さへ屋鋪(土佐屋敷)ニハ入ルあたハず。又、二本松(薩摩藩)邸ニ身をひそめ候ハ、実ニいやミで候得バ、萬一の時も存レ之候時ハ、主従共ニ此所ニ一戦の上、屋鋪(土佐藩邸)ニ引取申べしと決心仕居申候。

 このように一戦を覚悟したものの、その後で、望月清平へ、より安全な場所を探してほしいと頼んでいます。

 これを見ると、坂本龍馬は幕府から襲撃される恐れを十分予測していましたが、土佐藩を脱藩したことから、すんなりと土佐藩邸に入れず、苦慮していたようです。

 そのため、いざとなったら、一戦を交えて、土佐藩邸に逃げ込もうとも考えていたようです。

 しかし、実際に慶応3年11月15日に暗殺団に襲撃された際には、土佐藩邸に逃げ込む余裕はなく、近江屋で中岡慎太郎とともに暗殺されてしまいました。


by wheatbaku | 2017-06-12 22:02 | 『幕末』

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