人気ブログランキング | 話題のタグを見る
大聖寺〔今出川通沿いの神社仏閣史跡②〕(30年京都冬の旅③)

大聖寺〔今出川通沿いの神社仏閣史跡②〕(30年京都冬の旅③)

今出川通沿いの神社仏閣史跡の2回目は、大聖寺(だいしょうじ)です。

大聖寺といってもほとんどの人が知らないお寺だと思います。

 それもそのはず、非公開のお寺ですので、ガイドブックにも載っていません。

しかし、大変由緒あるお寺です。

大聖寺〔今出川通沿いの神社仏閣史跡②〕(30年京都冬の旅③)_c0187004_12345449.jpg
 

 大聖寺は烏丸今出川の交差点の北東方向にある 同志社大学寒梅館の南側にあります。

 下写真は、大聖寺の大玄関ですが、写真の後方に見える建物が同志社大学の寒梅館です。ちなみに寒梅館がある場所は、元は大聖寺の敷地でした。

大聖寺〔今出川通沿いの神社仏閣史跡②〕(30年京都冬の旅③)_c0187004_12344793.jpg
 

 大聖寺を訪問したのは、ここが花の御所つまり室町幕府があった場所にあるお寺だからです。

 大聖寺の山門を入ると右手に、その名残りを表す「花の御所」と刻まれた石碑があります。

大聖寺〔今出川通沿いの神社仏閣史跡②〕(30年京都冬の旅③)_c0187004_12343713.jpg

大聖寺は、まさにひっそりとたたずんでいるといった趣です。大聖寺は実は尼寺です。

 非公開のお寺にもかかわらず、御住職様は丁寧に大聖寺のご由緒について教えてくださいました。

 大聖寺は、南北朝時代の北朝初代天皇である光厳天皇の妃であった無相定円禅尼が亡くなった後、その住まいであった花の御所内の「岡松殿」を寺としたのが始まりとされています。

無相定円は俗名を日野宣子といい、足利義満の正室であった日野業子の叔母であり、光厳天皇の妃でした。

大聖寺という寺号は開基の大聖院無相定円の法名に因み、山号の岳松山(がくしょうざん)は岡松殿に由来しています。

室町時代から江戸時代末期の光格天皇の皇女まで歴代24世の内親王が住職をつとめ、明治以降は公家の子女が住職をつとめたそうです。

このように天皇家と縁の深い大聖寺ですので、山門を入ると左手(西側)に見える本堂は昭和18年に東京の青山御所(貞明皇后の御殿)から移築された建物です。下写真は山門から撮った本堂・大玄関です。

大聖寺〔今出川通沿いの神社仏閣史跡②〕(30年京都冬の旅③)_c0187004_12342922.jpg

 ちなみに、大聖寺は、門跡寺院であったため檀家いないそうです。

 そこで、会員制の寺院維持組織があり、その会の支援により、維持されているそうです。

大聖寺の庭園は非公開ですが、京都市の名勝に指定されていて素晴らしいようです。

 この庭園は元禄10年(1697)に明正天皇の河原の御殿から材料を移して作庭したものだそうです。

庫裏に庭園を写した写真が掲示されていましたので、写真を撮らせていただきました。

大聖寺〔今出川通沿いの神社仏閣史跡②〕(30年京都冬の旅③)_c0187004_12361126.jpg

 その写真を見ると、とても烏丸今出川に近くにあるお寺とは思えない雰囲気があります。

 本堂の北西方向に「宮御殿」と呼ばれている書院があり、その前には光格天皇から拝領した花菖蒲が植えられていて、花の季節は見事だそうです。

 やはり庫裏に写真が掲示されていましたので、撮らせていただきました。

大聖寺〔今出川通沿いの神社仏閣史跡②〕(30年京都冬の旅③)_c0187004_12335134.jpg
 

 大聖寺より南の今出川通りと室町通りの交差点北東隅に、「従是東北(これよりとうほうく) 足利将軍室町第址」と刻まれた石標が建てられていて、この一画に室町幕府があったことを示しています。

大聖寺〔今出川通沿いの神社仏閣史跡②〕(30年京都冬の旅③)_c0187004_12333632.jpg

赤印が大聖寺青印が室町幕府の跡の石標です。







by wheatbaku | 2018-03-22 12:32

江戸や江戸検定について気ままに綴るブログ    (絵は広重の「隅田川水神の森真崎」)
by 夢見る獏(バク)
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
以前の記事
2024年 11月
2024年 10月
2024年 09月
2024年 07月
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
ブログパーツ
ブログジャンル
歴史
日々の出来事