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「忠僕茶屋」と「舌切茶屋」〔『西郷どん』ゆかりの寺②〕 (30年京都冬の旅⑧)

「忠僕茶屋」と「舌切茶屋」〔『西郷どん』ゆかりの寺②〕 (30年京都冬の旅⑧)

  

 清水寺の舞台の下の音羽の瀧を見て仁王門前に戻る途中に二つの茶屋があります。

 音羽の瀧に近いほうに「舌切茶屋」、 仁王門に近い方に「忠僕茶屋」があります。

忠僕茶屋と舌切茶屋の二つとも、月照上人と縁のある茶屋です。

今日は、清水寺にある「忠僕茶屋」と「舌切茶屋」をご紹介します。

 

前回書いたように、月照上人は幕府の追及の手から逃れ薩摩藩に向かいました。

この時に、月照上人と薩摩に向かった若い下僕がいました。

これが、大槻重助(おおつきじゅうすけ)です。

この大槻重助は、薩摩までお供をし、月照上人と西郷隆盛が入水する船にも同乗し、入水の場面に遭遇しました。

月照上人が入水して亡くなった後は、薩摩の南洲寺に月照上人を懇ろに葬り、その遺品をもって京都に持ち帰りました。しかし、京都に戻った重助は、捕えられ、六角獄舎につながれます。

大槻重助は6ヶ月間牢に入っていましたが、やがて無罪放免となり解放され、一旦は生まれ故郷に帰った後、再び清水寺に戻り、月照上人の菩提を弔いました。

 この忠僕大槻重助を顕彰する碑が、西郷隆盛詩碑・月照上人歌碑・信海上人の歌碑の手前脇に建てられています。碑文の文字は西郷従道の揮毫によるものだそうです。

「忠僕茶屋」と「舌切茶屋」〔『西郷どん』ゆかりの寺②〕 (30年京都冬の旅⑧)_c0187004_15320270.jpg

 また、成就院の執事であった近藤正慎(こんどうしょうしん)も幕府に捕らわれ、京都・六角牢獄で月照上人の行方を問われて拷問をうけます。

しかし、近藤正慎は、拷問をかけられても白状することはありませんでした。

それだけでなく、絶対に口を割らないようにするため、牢獄の壁に頭を打ちつけ自ら舌を噛み切って壮絶な最期を遂げました。

 この近藤正慎を顕彰する碑も、西郷隆盛詩碑・月照上人歌碑・信海上人の歌碑の脇に建てられています。

 周囲に柵が設けられていて、正面からの撮影はできませんでした。

「忠僕茶屋」と「舌切茶屋」〔『西郷どん』ゆかりの寺②〕 (30年京都冬の旅⑧)_c0187004_15315881.jpg

清水寺は、この大槻重助と近藤正慎の二人の功績に報いるため、清水寺境内で永代にわたり茶屋を営業する権利を与えました。

これが、忠僕茶屋と舌切茶屋です。

大槻重助の茶屋が「忠僕茶屋」、近藤正慎の遺族が営む茶屋が「舌切茶屋」です。下写真は舌切茶屋です。

「忠僕茶屋」と「舌切茶屋」〔『西郷どん』ゆかりの寺②〕 (30年京都冬の旅⑧)_c0187004_15315295.jpg

忠僕茶屋という名前は、有村俊斎(のちの海江田信義)と西郷従道により名付けられたもので、舌切茶屋という名前は近藤正慎が舌を切って自死したことによります。

この二つの茶屋のうち、忠僕茶屋(下写真)で、食事をさせていだきました。   

「忠僕茶屋」と「舌切茶屋」〔『西郷どん』ゆかりの寺②〕 (30年京都冬の旅⑧)_c0187004_15314703.jpg

 

そして、御主人の飯尾祐亮様とお話をさせていただきました。

飯尾様は、大槻重助からは5代目のご子孫にあたる方です。

苗字が大槻ではありませんが、4代目までは大槻姓だったそうですが、5代目を継ぐ直系の方がいなかったため、先代の甥御さんにあたる飯尾様が5代目を継いだそうです。

現在は京都市内に住んでいて茶屋には通ってきているそうですが、先々代までは、清水寺境内の中に住んで営業していたそうです。こうした話にも清水寺の配慮が感じられました。

飯尾様はとても気さくで笑顔がとても素敵な方でした。
 最後に、写真を撮ることをお願いしたら快くお許しいただきました。

「忠僕茶屋」と「舌切茶屋」〔『西郷どん』ゆかりの寺②〕 (30年京都冬の旅⑧)_c0187004_15314297.jpg
 飯尾様、本当にありがとうございました。

赤印が忠僕茶屋です。 青印が舌切茶屋です。



by wheatbaku | 2018-03-30 15:27 | 京都探訪

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