独鈷の瀧〔目黒不動尊②〕(目黒史跡散歩⑬)
目黒のお不動様は正式名称を瀧泉寺といいます。
その名前の由来となったのが、独鈷の瀧です。
《独鈷(とっこ)の瀧》
仁王門を入ると参道の左手に、瀧が見えてきます。それが独鈷の瀧です。
(下写真が、独鈷の瀧の全体写真です。右手が水かけ地蔵、左手奥が前不動堂です)

円仁が唐から帰り、故郷下野に戻る途中で目黒に立ち寄ったとき、独鈷で地を掘ったところ、水がわき出て滝になったといいます。独鈷とは、密教で用いる法具です。
目黒のお不動様の正式な名前は瀧泉寺といいますが、この瀧から、寺号が瀧泉寺と付けられたといいます。
清水が二つの銅製の竜口から注いでいますが、この独鈷の瀧は、旱魃でも涸れないと言われ、信者が祈願成就のため瀧にうたれて垢離をとる水垢離場(みずごりば)でしたが、目黒区史によれば、納涼のために瀧にうたれる人も少なくなく、この瀧水で子供のさかやきを剃ると、明王の効験で子供が動かないでおとなしく剃らせるといわれたそうです。
西郷隆盛が島津斉彬の病気平癒を祈願したこともあり、大河ドラマ「西郷どん」でも紹介されました。
二宮尊徳は報徳仕法の成功を祈願し、東郷元師は日本海海戦の勝利を祈願したといいます。
瀧の前の「水かけ不動明王」」は平成8年に建立されたものです。

《前不動堂》
独鈷の瀧の左手にあるお堂が前不動堂です。都指定有形文化財に指定されている
前不動堂の御本尊は不動明王立像です。江戸時代に将軍や大名の参拝があると庶民は本堂に近づけませんでした。そのため、庶民の便宜を図ったものと考えられています。

《勢至堂》
勢至堂は、前不動堂の西側にあります。
正面は前不動堂まえふどうどうとよく似ていることから、前不動堂を意識してそれほど遠くない時代に立てられたと推測されています。
もとは前不動堂の手前にありましたが、昭和44年に現在地付近に移築されたそうです。

《本堂》
男坂を登りきると、正面目の前に本堂が現われます。
目黒不動尊は、戦災でほとんどの堂塔を焼失しました。
本堂は、昭和25年に再建されたものです。
ここにご本尊のお不動様が祀られていますが、ご本尊は、秘仏で、12年に一度、酉年に開帳されるだけです。


