日ぐらしの里〔諏方神社②〕(日暮里谷中史跡めぐり⑦)
今日は諏方神社の2回目です。
諏方神社は、現在は日暮里・谷中の総鎮守です。
日暮里は、江戸時代は、新堀村(にいほり またはにいぼり)と表記していました。
昨日紹介した西側の鳥居の額に「新堀谷中総鎮守」と書いてあります。

また、拝殿脇の庚申塔の一部に「新堀村」と書かれています。
下写真は、拝殿の東側にある庚申塔の一部です。

《ひぐらしの里》
日暮里は、上野の山から飛鳥山まで西北にのびた上野台地の谷中と道濯山との間にあります。
この台地の東側は崖となっていて、東方の景色が素晴らしく、見渡す限りの田圃、その中を流れる荒川や江戸川、そして遠くには筑波山や日光の山々を望むことができた景勝地でした。
さらにこの辺りは桜の名所でもあり、さらに近辺の寺院は競って庭に林泉を構え、木を植えたので、四季草木の花が咲いていました。
そうした景色を楽しむために、江戸から大勢の人々がやって来ました。
そして、飲み食いし、日の暮れるのも忘れて四季おりおりの景色を楽しみました。そこから、ここは、日ぐらしの里と呼ばれ、さらに「新堀」に「日暮里」の文字をあてたと言われています。
十返舎一九は、日暮里の素晴らしさを次のように詠んでいます。
桃さくら 鯛より酒の さかなには みどころ多き 日くらしの里
《歌川広重が描く「日暮里諏訪の台」》
こうした景色を描いたのが、歌川広重の名所江戸百景の「日暮里諏訪の台」です。
この絵は、諏方神社境内に咲いた満開の桜の下で、人々が花見をしながら、眼下の景色をも見て楽しんでいる様子が描かれています。
崖下に見えている屋根は日暮里村の屋根です。遠景に描かれている山は筑波山です。

その屋根が見える脇から人が上がっている坂が「地蔵坂」です。
地蔵坂は、諏方神社の境内にある坂です。
地蔵坂は、JR西日暮里駅に向かって下る坂で、JRの線路を潜って西日暮里駅の東口に出られます。
地蔵坂という名前は、諏方神社の別当寺であった浄光寺に、江戸六地蔵の三番目として有名な地蔵尊が安置されていることにちなむといわれています。


