紺屋高尾 〔高尾太夫⑥〕(江戸のヒロインたち)
「高尾考」の7代説で紺屋九郎兵衛に嫁いだため、「駄染高尾」と呼ばれる高尾太夫は、お題テキスト「江戸のヒロインたち」で紺屋高尾とされています。
この駄染高尾は、落語の「紺屋高尾」の題材となっていることで有名です。
「紺屋高尾」は「こんやたかお」と呼びたいところですが、「こうやたかお」と一般的に呼ばれています。
「紺屋高尾」は、三遊亭円生、三遊亭円楽、立川談志など多くの落語家が演じていますが、今回は、桂歌丸師匠が演じているものが、You Tube にありましたので、それを聞いてみました。
桂歌丸師匠の「紺屋高尾」のあらすじは次の通りです。
神田紺屋町(こうやちょう)の染物職人吉兵衛のお店に、久蔵(きゅうぞう)という職人がいました。
その久蔵が、寝込んで仕事に出てこないので、お玉が池の竹之内蘭石という医者に診てもらうことにした。
久藏をみた蘭石先生は、「これは恋患いだな。そして相手は三浦屋の高尾丈夫だろう?違うか?」
藪医者にずばり言い当てられて驚く久蔵が打ち明けた話では、吉原には花魁道中というものがあるから、いっぺん見ておけと仲間に無理やり連れていかれたのだが、そこで見た高尾の美しさが忘れられないという。それ以来、何を見ても高尾に見えるとも告白。
蘭石先生が言う。「花魁といえども売物買物だ。金があれば客にとってくれる。そうだな、十両用意すれば会う事が出来るだろう」
久蔵の給料は一年で3両。蘭石先生から3年一生懸命働いて9両たまったら残りの1両を蘭石先生が足してくれ10両で高尾太夫に合せてくれると言われたた久蔵はすっかり元気になって一生懸命に働きだした。
それから3年の月日が経った。久蔵は3年で9両を貯め、親方はさらに一両を足してくれた。久藏は、これで高尾太夫を買うと打ち明けた。親方は呆れたが、着物、帯。そして雪踏まで貸してくれて吉原に送り出してくれた。
久蔵は、蘭石先生と一緒に京橋のお大尽という触れこみで高尾太夫に会いにいく。
お茶屋に掛け合ってみると、運よく高尾太夫の体が空いていたのでお茶屋で高尾が会ってくれた。そして高尾太夫からから、「主はよう来なまんした。裏はいつでありんす?」と聞かれ、真正直な久蔵は、「丸3年経ったらきます。3年経たなきゃ、来る事が出来ない」と久蔵は、これまでのことを全て白状してしまう。
それをじっと聞いていた高尾丈夫は、「金で源平藤橘四姓の人と枕を交わす卑しい身を三年も思ってくれるとは、なんと情けのある人か……、わちきは来年の2月15日に年季が明けるから、おかみさんにしてくんなますか」と久藏に言う。
久蔵は天にも昇る気持ちでひたすらに来年2月15日を待ちのぞむ。
そして2月15日当日。一挺の駕籠が神田紺屋町の吉兵衛の店の前に止まる。姿を見せたのは堅気姿の高尾丈夫である。
そして親方に久蔵とそわせてくれと頼みます。
久蔵と夫婦となった高尾は80余歳の天寿をまっとうしたという。
桂歌丸師匠の古典落語もすばらしいものです。生前にもっと聞いておけばよかったとつくづくと思いました。

