春日局ゆかりの寺―真如堂
真如堂の境内の中でも、とても印象的な建物が三重塔です。
本堂の手前にそびえていますが、緑とのコントラスも素晴らしかったです。
三重塔は、高さは約30メートルで文化14年(1817)に再建され、昭和9年に修理が加えられました。
真如堂は、三井高利・かねの菩提寺でもありとともに春日局ゆかりの寺でもあります。
今日は、春日局ゆかりの「たてかわ桜」と春日局の父親斎藤利三のお墓のお話しをします。
真如堂には、春日局ゆかりのものがあります。
それが本堂右手横にある「たてかわ桜」です。(下写真の奥に見えるのが本堂です)
春日局が父である斎藤利三の菩提を弔うために植えたとされています。
「たてかわ桜」という名前は、ソメイヨシノの樹皮には横に筋が入るのに対して。この桜は樹皮に縦に筋が入ることから、こう呼ばれるようになりました。
「たてかわ桜」はエドヒガン系の桜で寿命が長い桜の品種で、樹齢300年以上、直径1メートルもある巨樹でしたが、1959年の伊勢湾台風で倒木しました。ところがその数年後、折れた幹から芽が吹き出し、花を咲かせるまでに回復しました。
「たてかわ桜」の花はソメイヨシノより少し早く開花します。
真如堂の境内には、約70本の桜が植えられていますので、桜の季節も見事なものだと思います。
「たてかわ桜」の脇に齊藤利三のお墓の案内板がありました。
三井高利・かね夫妻のお墓の少し西側に春日局の父斎藤利三のお墓があります。墓碑には「斎藤内蔵介利三墓」と刻まれています。
斎藤利三は、明智光秀の重臣でした。明智光秀は、本能寺の変で織田信長を討ち取ったものの、中国から急遽走り戻った豊臣秀吉により山崎の戦いで敗れ、小栗栖で土民に殺害されてしまいました。明智光秀と行動を共にしていた斎藤利三は、戦場を無事脱出したものの、近江堅田で捕まり六条河原で斬首されました。
この首を、斎藤利三と親しかった海北友松(かいほうゆうしょう)が秘かに奪いとって、真如堂にある海北家の墓地に埋葬したと言われています。
こうしたことから、斎藤利三のお墓の隣には海北友松のお墓があります。