原宿の地名と原宿駅(原宿散歩①)
先週の土曜日に、毎日文化センターの「~山手線一周~駅から気ままに江戸散歩」で明治神宮に参拝して原宿を散歩してきました。
そこで、今日から、明治神宮と原宿の見どころを紹介していきます。
最初は、原宿という地名についてお話します。
原宿という地名は非常になじみのある地名です。多くの人が原宿といえば若者でにぎわう東京の原宿を思い起こすと思います。
しかし、意外なことに、現在、原宿という地名は行政上の住居表示としては存在しません。つまり原宿という地名は東京にないと言えます。
現在、俗に原宿と呼ばれている地域の住居表示は「神宮前」です。
「神宮前」という町名が昭和40年に誕生しました。それの際に、それまであった「原宿1丁目、2丁目、3丁目」「穏田1丁目、2丁目、3丁目」「竹下町」という7個の町名がなくなりました。下写真は昭和7年当時の住居表示です。
「神宮前」となったのも「原宿」「穏田」の町名が、両方ともに歴史のある地名であるためにどちらにも決めかね、明治神宮の前にある地域ということで「神宮前」に落ち着いたという経緯があるようです。
詳しいことはわかりませんが、「原宿」「穏田」の意地の張り合いで原宿という名前がなくなったのであれば、残念なことですね。
「原宿」という地名は、昔からありました。
鎌倉時代以降、鎌倉から奥州に向かう鎌倉道が現在の神宮外苑近くを通っていて、その宿駅があったことから原宿という地名が起きたといわれます。
宿駅があった当時は、周辺が草で生い茂る原っぱ状態の宿駅だったのではないでしょうか。
「原宿」以外の町名のうち、「竹下町」は竹下通りに名前が残っています。
しかし、「穏田」という地名は、以前は村の名前のほか、隠田川にもその名前が付けられていましたが、現在は、「隠田神社」の名前として残るぐらいで、ほとんど忘れられた地名となっています。下写真が隠田神社です。右手に「隠田神社」と刻まれています。
現在、原宿の名前を冠した公共施設はあまりありません。その数少ない建物の一つが原宿駅です。
原宿駅は明治39年に開設し、現在の駅舎は、大正13年に建築され、都内の木造駅舎としては最古の建物です。
原宿駅は、中央に尖塔があるヨーロッパ風ハーフティンバーの駅舎が特徴です。(下写真)
現在、原宿駅は、2020年完成をめどに駅改良工事が実施されています。
新しい「原宿駅」は、線路及びホームをまたぐ2層の「橋上駅舎」が新設され、神宮橋方面には、既存の「表参道口」のほかに「明治神宮口」が新設されます。
また、年始のみ使用している明治神宮側の「臨時ホーム」は、「山手線外回り専用ホーム」に改良します。これにより、内回り・外回りの動線が分離されることになります。
新設する外回り専用ホームは、地下通路で竹下口改札にも接続します。
新しい原宿駅が完成するにともなって、現在の原宿駅の駅舎がどうなるのか注目されます。