南参道の神橋・ワイン樽・大鳥居(原宿散歩④)
明治神宮へ参拝するには、三方向からの参道があります。原宿駅方面の南参道、代々木駅方面の北参道、参宮橋方面の西参道の三つです。
そのうちメインの参道が南参道です。今日は南参道の見どころをご紹介します。
《神橋》
南参道の第一鳥居から50メートルほど進むと、神橋があります。
この神橋を多くの人が渡っていますが、その下を流れる細流には注目する人は少ないだろうと思います。
神橋の下を流れている細い流れは、明治神宮御苑の南池から流れ出たものです。昔は、この流れが隠田川に流れ込んでいました。その隠田川は、渋谷駅付近で西から流れてきた宇田川と合流して渋谷川となります。下写真は神橋から見た南池から流れ出る小川です。
《ワイン樽》
神橋をさらに進むと参道左手にワイン樽が飾られています。明治天皇はワイン好きで知られています。このワイン樽は、フランスのブルゴーニュ地方の醸造元から奉納されたものです。数えてみたら60樽ありました。ワイン樽の向かい側には清酒の菰樽(こまだる)が飾られています。
《大鳥居(第二鳥居)》
南参道には三つの鳥居がありますが、ワイン樽を越えて参道を左手に折れると大きな鳥居があります。
鳥居の高さが12メートル、幅が17.1メートル、柱の太さが直径1.2メートル、重さが13トンもあり、木造の明神鳥居としては日本一の大きさを誇っています。
現在の大鳥居は2代目で、初代の大鳥居は明治神宮が創建された大正9年に完成しました。
初代の大鳥居は、明治神宮造営の時に台湾総督府より献納された台湾産檜で、檜の樹齢は1200年以上に達していたといわれます。
ところが昭和41年7月22日、右側(北側)の柱に雷が落ち破損してしまいました。
明治神宮としては老朽化も進んでいたため、落雷によって破損したことで鳥居を立て直したいと考えましたが、日本にはこれほどの大鳥居が作れる檜はありませんでした。
その時、東京で材木商を営む篤志家・川島康資という人が明治神宮の大鳥居が破損したことを聴き、なんとか明治神宮に奉納したいと考え、わざわざ台湾まで檜材を探しに行き、標高3300メートルの山中に樹齢1500年を超える巨木を発見しました。
その後、断崖に道をつけ、山を切り拓いて運び出したもので、完成したのは昭和50年のことでした。
元の大鳥居は埼玉県の大宮氷川神社の鳥居として利用されているそうです。