江戸検・記述対策シートの正誤表
江戸検まで2週間を切りました。江戸検を受検される方は一生懸命頑張っていられることと思います。
努力は必ず報われますので最後まで頑張ってください。
記述問題を苦手とする人に対する記述問題対策シートを作成し販売しておりますが、その記述問題対策シートに誤りがありましたので、本日は、正誤表にて訂正させていただきます。
〔正誤表〕 赤字が誤りの部分、ピンクが正しい文字です。
〈人名〉
「江戸博覧強記」173ページ
誤 たばたやしろうざえもん 田端屋四郎左衛門
正 たばたやじろうざえもん 田端屋次郎左衛門
「江戸博覧強記」263ページ
誤 平沢常冨
正 平沢常富
「江戸博覧強記」279ページ
誤 朝寝坊むらく
正 朝寝房むらく
〈書名・絵画名・芝居名編〉
「江戸博覧強記」275ページ
誤 こくせんやがっせん 国姓爺合戦
正 こくせんやかっせん 国性爺合戦
「江戸博覧強記」304ページ
誤 和蘭和訳
正 和蘭話訳
「江戸博覧強記」306ページ
誤 大略天学名目抄
正 大略天学名目鈔
「江戸博覧強記」313ページ
誤 そらいせんせいもんどうしゅう 徂徠先生問答集
正 そらいせんせいもんどうしょ 徂徠先生問答書
「江戸博覧強記」331ページ
誤 勧懲記後正
正 諫懲記後正
「江戸博覧強記」377ページ
誤 英米対話捷経
正 英米対話捷径
〈難書漢字編〉
「江戸博覧強記」205ページ
さいにち 賽日
改訂版で削除されているので削除します。
「江戸博覧強記」350ページ
誤 燻乾し
正 燻乾し (おくりがなのしを削除)
〔補足説明〕
上記の正誤表に関連していくつか補足説明をします。
1、田端屋次郎左衛門
田端屋次郎左衛門は、伊勢出身の豪商で、大伝馬町に店をもつ木綿問屋です。田端屋は、歌川広重の名所江戸百景の「大てんま町木綿店」に描かれています。下写真の浮世絵の最も右が田端屋です。暖簾に「たばたや」と書かれています。

2、国性爺と国姓爺(こくせんや)
「国性爺合戦」は、近松門左衛門の名作であり、初演時に17ヶ月連続で上演された大ヒット作です。しかし、Wordで「こくせんや」と入力すると、「国姓爺」しか出てこず、「国性爺」は出てきません。そのため、国姓爺と書きやすい言葉ですので、江戸検の記述問題では注意が必要です。
「国姓爺」とは、中国の武将鄭成功の別名です。近松門左衛門は、この鄭成功をモデルとした和藤内を主人公とした物語を書きました。それが「国性爺合戦」です。史実とは異なるため、国姓爺の一文字を替えて「国性爺合戦」としたと言われています。
3、英米対話捷径(えいべいたいわしょうけい)
「英米対話捷径」 は、ジョン万次郎が書いた英会話書です。
「捷径(しょうけい)」という語句は、「早道、または、近道」という意味です。
簡単にいえば「はやわかり英会話」といった意味でしょうか。
4、賽日(さいにち)
賽日は、『江戸博覧強記』初版では、「縁日(賽日ともいう)とも呼ばれる」と書いてあります。しかし、『江戸博覧強記』改訂版では、「縁日」とだけ書かれていて、賽日が削除されています。
賽日を調べると「藪入りに閻魔(えんま)にお参りする日」という意味ですので、縁日とは少し意味が違っているため、改訂版で削除されたものと思われます。
5、厳有院と巌有院(4代将軍徳川家綱の院号)
「江戸博覧強記」76ページの「歴代将軍の墓所」という表の中で、4代将軍徳川家綱の院号が「巌有院」となっています。
私の作成した記述問題対策シートでは「厳有院」としていたことから、「厳有院」は間違いではないかとお問い合わせをいただきました。
「巌」は、音読み「ガン」で、旧字は「巖」です。「厳」は音読み「ゲン・ゴン」で旧字は「嚴」です。
こうしたことから、「巌」と「厳」は、新字と旧字という関係ではなく、まったく別の漢字です。
家綱の院号を「巌有院」と書いたものもあるとのことですが、「国史大辞典(吉川弘文館)」「徳川幕府事典(東京堂出版刊)」「徳川諸家系譜(続群書類従完成会刊)」「徳川実紀(国史大系)」の全てで「厳有院」と書いてあります。
従って、「江戸博覧強記」記載の「巌有院」が間違いだとはいいませんが、「厳有院」のほうが適切だと思います。

