「東海道中膝栗毛」も頻出問題(江戸検お得情報2)
歌川広重の「東海道五十三次」が江戸検1級問題の頻出問題であると前回書きました。
こうした傾向は、1級の過去問を何回もやっているとわかってきます。
ですから今年合格したいと思っている人は、過去問に何回も挑戦してご自分で傾向をつかんで対策を講じることも大切だと思います。
過去問を繰り返し取り組んでくると歌川広重の「東海道五十三次」のほか、「東海道中膝栗毛」に関係する問題もしばしば出題されていることがわかります。
第2回では弥次さん喜多さんの間柄、第3回では弥次さん喜多さんが最初に泊まった宿場名、第4回では十返舎一九の辞世の句、第7回は戸塚に関係する狂歌、第14回では弥次さん喜多さんが2日目に泊まった宿場名が出題されています。(過去に出題された問題がどんな問題であったかを下記に書いておきます。)
これだけ出題されている「東海道中膝栗毛」は『江戸博覧強記』では触れられていません。こうしてみると今年是非とも合格したいと思う人は「東海道中膝栗毛」も読んでおいた方がよいということになります。
「東海道中膝栗毛」は、子供たちも読んでおくべき日本の古典に数えられるほどの名作ですので、子供向けに現代語訳されたものも多く出版されています。
基本的には、江戸検を受検する人がお好みにあわせて選べばよいと思いますが、私は、現代語訳されたものの多くは、物語としてはおもしろいですが、原作のすべてを現代語訳しているわけではないので、原作に忠実とはいえないものが多いように思います。そのため、江戸検対策として役立つかどうか多少不安が残ります。
そうした中で、私が良いと思うものは、『現代語訳東海道中膝栗毛(岩波現代文庫)』です。(上)(下)2冊に分かれています。こちらは、原作に忠実に現代語訳しています。
なお、原作そのままがいいという人は、「東海道中膝栗毛」(岩波文庫)や小学館の「新編日本古典文学全集 (81) 東海道中膝栗毛」などが良いと思います。
過去に出題された問題は下記の通りです。正解は、本やインターネットなどで調べると比較的容易にわかりますので、ご自分で調べてください。
第2回【77】弥次さんと喜多さんの珍道中をおもしろおかしく描いた名作『東海道中膝栗毛」は、江戸時代を代表する文芸作品です。この滑稽話は、2人が駿府の町で知り合い、やがて出奔するところから始まっています。では、作者である十返舎一九は、このときの2人の間柄をどのように設定しているでしよう?
い)恋敵 ろ)幼馴染 は)衆道 に)博奕仲間
第3回【66】『東海道中膝栗毛』で、江戸を出た弥次郎兵衛・喜多八が最初に泊まった宿場は、次のうちどこでしよう? 慶長9年( 1604 )に新設された宿場で、天保14年 ( 1843 )の調査では75軒の旅籠がありました。
い)川崎 ろ)戸塚 は)平塚 に)小田原
第4回【78】『東海道中膝栗毛』の作者十返舎一九の辞世の句は、ユーモアに富んだものとして知られています。それは、次のうちどれでしよう?
い)南無さらば妙法蓮華経かぎり
ろ)善もせず悪も作らず死ぬる身は地蔵笑はず閻魔叱らず
は)此世をばどりやお暇(いとま)に線香の煙と共にはい左様(さよう)なら
に)今までは人のことだと思ひしにおれが死ぬとはこれはたまらん
第7回【26】《お泊りは よい程谷と とめ女( )前ては はなさざりけり》
これは、「東海道中膝栗毛』にある狂歌です。( )には、東海道の宿場の名前が入りますが、それはどこでしよう?
い)大磯 ろ)小田原 は)戸塚 に)三島
第14回【74】『東海道中膝栗毛』で、江戸を出た弥次郎兵衛と喜多八が最初に泊まったのは、日本橋から10里余りの距離にある戸塚宿です。その次に泊まったのが、戸塚から10里余りにある宿場です。さて、それはどこでしよう?
い)大磯宿 ろ)小田原宿 は)箱根宿 に)平塚宿
※※最後に、前回の広重「東海道五十三次」に関する問題の正解を書いておきます。
第4回第8問 に) 第18問 は)
第8回第82問 は)
第9回第69問 に)
第11回第12問 に) 第84問 は)
第13回第78問 に)