栄一、慶喜の将軍就任に反対(「青天を衝け」100)
「青天を衝け」第20回も話題盛りだくさんでした。将軍家茂の死、慶喜の将軍就任問題、それに対する栄一の反対、幕臣となった栄一と土方歳三との接触などなどでした。どれから書くか迷うところですが、やはり栄一の話題からにしようと思いました。そこで、栄一が慶喜の将軍就任に反対したことから書いていこうと思います。
栄一は、「青天を衝け」でも描かれていたように、慶喜が将軍に就任することに反対しました。
そのことについて、栄一は「雨夜譚」の中で次のように語っています。
さらに、慶喜が名君であるがゆえに、慶喜が将軍になると逆に風当たりが強くなってしまうので「今一橋公が大統を継いて将軍家の御虐続をなさるというはまるで死地に陥るので、実に失策の極、危殆千万な事柄である。ゆえに何卒相続の事は切に御止まりにならんことを願いたい、」と言って反対をしたと言っています。
それでは、栄一はどのような体制がいいかということについて次のように語っています。
「自分らの考案は、この累卵の如き危い幕府たりともこれをして一日も長く保つようにするのには、一橋公は御相続を御辞退になり、他の親藩から幼弱の人を撰んで将軍家の継統として、一橋公には相替らす御輔佐の地に居られて、依然として京都守衛総督の御職掌を尽さるるが御双方の得策であると思う。」
栄一がこうした話を原市之進に話したところ、原市之進が慶喜に拝謁して言上してくれというので慶喜に拝謁して言上することになりましたが、結果的には拝謁はかないませんでした。
このことについて栄一は「雨夜譚」の中で次のように語っています。
「原市之進ももとより天下の形勢は能く知って居たから、自分の言うことをもっともと思うて、いかにも足下の言う所はもっともに思われる、それほどまでに思うなら、御前へ出てその趣を言上してくれというので、直に君公に拝謁を願って、親しく意見を開申する運びになった。ところがその翌日、君公には板倉・永井らの懇請を御許容になって、にわかに大阪へ御下りになりましたゆえ、残念ながらこの拝謁のことは叶わすにしまいました。」
「青天を衝け」では、栄一が慶喜に直接言上し、慶喜がそれを聴くシーンがありました。前述の「雨夜譚」を読むと、栄一は慶喜に意見具申する前に大坂に下ってしまったようですので、意見具申はできなかったと書いてあります。(上記赤字部分)従って、「青天を衝け」の意見具申のシーンは史実ではないようです。でも、ドラマとしては盛り上がりがあっておもしろかったと思います。

