特別展『日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱』に行ってきました
本日、東京藝術大学大学美術館で開催されている「特別展『日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱』」に行ってきました。
東京藝術大学大学美術館は、東京藝術大学構内に設置されている美術館で上野駅から約15分で行けます。下写真は東京藝術大学大学美術館の全景です。

開館は午前10時でしたので、10時30分頃に入館しましたが、15人ほどがチケットを購入するため列を作っているだけで予想以上に混雑していませんでした。その後、何度かチケット売り場を眺めましたが、チケット売り場には列がありませんでした。現在は、それほど混んでいませんが、会期後半になると超混雑するのではないかと思っています。見に行こうと思っている方は早めに行かれることをお勧めします。
「特別展『日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱』」は8月6日から 9月25日(日)の会期で開催されていますが、前期と後期で展示品の入れ替えが行われます。後期は昨日(8月30日)から開始されました。後期の目玉展示品は、伊藤若冲の『動植綵絵』です。今回の特別展のポスターやパンフレットに取り上げられています。(下写真はパンフ)

私が、本日行ったのは、この『動植綵絵』を見るためです。チケット売り場はあまり混雑していませんでしたが、『動植綵絵』の前には人だかりができていました。美術館の担当の人も「『動植綵絵』の前はいつも混んでいます。」と言っていました。
伊藤若冲は、京都錦小路の青物問屋の長男として生まれましたが、40歳で家業を弟に譲って画業に専念したという異色の経歴をもつ江戸時代中期の絵師です。
『動植綵絵』は、伊藤若冲の代表作で、若冲が40歳代の時に約10年を費やして完成させ京都の相国寺(しょうこくじ)に寄進した30幅の花鳥画です。明治22年に相国寺から皇室に献納され、現在は三の丸尚蔵館が収蔵しています。
『動植綵絵』は前述したように30幅ありますが、今回展示されているのは、そのうちの次の10幅です。(番号は展示順)
⑴芍薬群蝶図、⑵老松白鶏図、⑶紫陽花双鶏図、⑷向日葵雄鶏図、⑸池辺群虫図、⑹蓮池遊魚図、⑺芦鵞図、⑻芦雁図、⑼梅花小禽図、⑽桃花小禽図
若冲の『動植綵絵』のいくつかは、写真で見ていましたが、実際に絹本に書かれたものを見ると、やはり現物の素晴らしさがよくわかりました。
「動植綵絵」のポストカードが販売されていたので、6枚買ってきました。
下写真は、左から⑴芍薬群蝶図、⑵老松白鶏図です。

続いて⑶紫陽花双鶏図、⑷向日葵雄鶏図です。

さらに⑺芦鵞図、⑻芦雁図です。

伊藤若冲『動植綵絵』は、昨年9月30日に国宝に指定されたばかりです。その際に『動植綵絵』と一緒に国宝に指定されたのが、狩野永徳『唐獅子図』、高階隆兼『春日権現験記絵』、『蒙古襲来絵詞』、小野道風『屛風土代(びょうぶどだい)』でした。
実は、これらはすべて三の丸尚蔵館が収蔵するもので、今回の特別展ですべて展示されています。ただ、前期・後期の入れ替えの関係で、後期で展示されているものは、『動植綵絵』、高階隆兼『春日権現験記絵』、『蒙古襲来絵詞』の三点でした。これらの展示の前にも人だかりができていました。これらのうち「蒙古襲来絵詞」は歴史の教科書でよく見ていたなじみがあるもので、現物をみて昔を思い出して感激しました。
このほか、有名な高橋由一の「鮭」のほか、江戸時代に活躍した絵師の作品も数多く展示されていました。尾形光琳「西行物語絵巻」、岩佐又兵衛「をぐり」、円山応挙「牡丹孔雀図」、谷文晁「虎図」などです。
絵画以外でも、優れたものが展示されていました。私が注目したのは次の二つです。
まず、安藤緑山の象牙彫刻「柿置物」です。安藤緑山は大正から昭和初期にかけての彫刻家で、象牙彫刻は、象牙本来の材質を大事するものが主流ですが、安藤緑山は、象牙に彩色するという異例の作風を作り出したそうです。展示されている「柿置物」を見ると柿そのものようで、とても象牙には見えませんでした。こんなに素晴らしいものをなぜ注目しないのだろうと不思議に思うほど注目する人はあまりいませんでした。
さらに、東京美術学校教授であり帝室技芸員であった海野勝珉(うんのしょうみん)の「太平楽置物」も素晴らしいものでした。
大学美術館内の展示作品は、当然のことながら、写真撮影禁止ですので、現物の写真撮影ができず、それぞれの素晴らしさをお伝えできないのが残念です。興味をもたれたら東京藝術大学大学美術館に行って現物をぜひ御覧ください。

