国立公文書館の「家康、波乱万丈!」展に行ってきました
本日(2023年5月2日)、国立公文書館で開催されている「家康、波乱万丈!」展に行ってきました。
下写真は、国立公文書館の全景です。
入り口脇には、大きな広告で企画展をアピールしていました。
展示は、⑴家康の合戦、⑵多彩な家臣たち、⑶家康のアーカイブスなどに分かれて展示されています。
展示は、この中の⑴家康の合戦が中心で、家康が戦った①初陣,②桶狭間の戦い、➂三方ヶ原の戦い、④長篠の戦い、⑤本能寺の変と伊賀越え、⑥小牧・長久手の戦い、⑦関ヶ原の戦い、⑧大阪の陣に分けて、それぞれについて関係する書物を展示してあります。下写真は館内の展示の様子です。
最近は、「どうする家康」の影響で徳川家康の生涯について書いた本が多く出版されていますが、その際に引用される江戸時代の書物のほとんどが展示されていて、私はワクワクして観てきました。
その中で、主な展示品を紹介しています。
まず、合戦のコーナーの前にはプロローグとして「家康の誕生」に関して「御実紀」が展示されていましたので、紹介します。
「御実紀」は、通称「徳川実紀」と呼ばれ、林述斎(じゅっさい)らにより編纂され、天保14年(1843)に完成した幕府の正史です。初代家康から十代家治に至る歴代将軍ごとの治績を編年体で記し、逸話については、付録としてまとめたものです。全485冊あるそうです。
合戦のコーナーの①初陣には「松平記」が展示されていました。
「松平記」は「天文4年(1535)の松平清康の死去から、天正7年(1579)の家康の正室築山殿の殺害と家康の長男である信康の切腹に至るまでの松平清州・広忠・家康の三代記を箇条書き的に記した史書」と説明されていました。
②桶狭間の戦いのコーナーには「三河物語」が展示されていました。
「三河物語」は「江戸時代前期の幕臣(旗本)大久保忠教(彦左衛門)の自叙伝。徳川氏の祖先の系譜からはじまり、家康が天下をとり東照大権現として祀られるまで、徳川氏代々の事績と大久保氏の功績が述べられ、自己の体験と子孫への教訓が記されている。寛永3年(1626)頃の成立と言われている。」と書かれていました。
➂三方ヶ原の戦いのコーナーには「当代記」が展示されていました。
「当代記(とうだいき)」とは、戦国から江戸時代初頭の国内政治や経済等の動きを詳細に記した書。著者は播磨国姫路藩主で、家康の孫にあたる松平忠明(1583~1644)と言われています。」と説明されていました。
⑥小牧・長久手の戦いのコーナーには「家忠日記」が展示されていました。
「家忠日記」は「徳川家康の家臣で、家康の一門・松平一族である深溝松平家の四代目当主、松平家忠の日記。天正5年(1577)10月から文禄3年(1594)9月に至るまでの記事が現存するも、一部欠損もある。」と説明されていました。
なお、長篠の戦いのコーナーで展示されていた徳川氏創業の事績とその逸話についてまとめた「東武談議」には、長篠の戦いの際に、徳川軍内の士気が低いので、家康は酒宴を開き、酒井忠次を召して、えびすくいの狂言を命じ、忠次が建ってこれをすると、座中は盛り上がり、どっと笑いが出て、空気が和み、この勢いを開き。軍の士気を高めたことが書いてあるそうです。「どうする家康」で、しばしば酒井忠次がえびすくいを踊りますが江戸時代の史書に書かれていたことのようです。
6月11日(日)まで開催されていますので、家康にご興味のある方はご覧になることをおすすめします。