2011年 11月 08日 ( 1 )
四谷大木戸跡・斉藤茂吉終焉の地(四谷散歩 大江戸散歩)
 笹寺をでて新宿通りを西に向かうと、すぐに四谷4丁目の交差点ですが、四谷4丁目の交差点に江戸時代には「四谷大木戸」がありました。
 今日は、四谷大木戸のお話です。

【四谷大木戸】 
 c0187004_8242674.jpg元和2年(1616年)、江戸幕府により四谷に甲州街道における江戸への出入り口として大木戸が設けられました。
 江戸名所図会には、 「御入国の頃までは、この地の左右は谷にて一筋道なり。この関にて往還の人を糾問せらる」と書かれています。
 江戸時代初めまで、四谷大木戸辺りの南北が谷になっており一本道であったため、番屋をおいて旅人や荷物を調べたようです。
 大木戸の地面には石畳を敷き、木戸の両側には石垣を設けていたそうです。
 初めは夜になると木戸を閉めていましたが、寛政4年(1792年)以降は木戸が撤去されてました。
 木戸がなくなった後も四谷大木戸の名は残りました。
c0187004_83324100.jpg

 「江戸名所図会」には、木戸撤去後の、人馬や籠などの行き交う様子が描かれています。(上の図が江戸名所図会の挿絵です。)
c0187004_82553.jpg 挿絵の右手が内藤新宿、左手が麹町方面です。内藤新宿側には石畳が敷かれています。
 手前の四谷側には番屋の屋根が見えます。
 この番屋には、江戸名所図絵によれば、突棒・指股・捩(もじり)等が置かれていたようです。
 中央奥から右手側奥に見えるのは玉川上水の水番所です。
 玉川上水の水番所については明日書きます。
 挿絵の中央に石垣があります。
 この石垣と内藤新宿側の石畳は、明治維新後は交通の障害となったため、明治9年に撤去されてしまいました。そのため、現在では四谷大木戸を思わせる物は何も残っていません。
 しかし、現在の交差点上が「四谷大木戸跡」として東京都指定旧跡となっています。
 四谷四丁目交差点の西側にある四谷区民センターの脇には四谷大木戸門跡の碑が立っています。(右写真)
 なお、四谷と新宿の境はこの四谷大木戸だと言われています。


【斎藤茂吉終焉の地】 
 四谷四丁目交差点から南側に60メートルほど入ったところにPJビルディングという建物があります。
c0187004_8384671.jpg  この建物が建っている場所が、歌人の斉藤茂吉が最晩年に住んでいた場所です。
 斎藤茂吉と言えば、学生時代に次のような短歌を暗記されたことのある人も多いと思います。
  みちのくの母のいのちを一目見ん一目みんとぞただにいそげる 
  死に近き母に添寢のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる 
 斎藤茂吉は歌人であるとともに東京帝大卒業の精神科医でもありました。
 このビルがかつてここにあった「斉藤神経科」(医院とかはつかなかったようです)の跡だそうです。
 昭和25年に斉藤茂吉はここに移りました。
 そして、翌年昭和26年には文化勲章を受賞しました。
 しかし、この頃から体力の衰えが著しく、昭和28年2月25日、心臓喘息のためにここで永眠しました。

「PJビルディング」の入口に、プレートがあります。
 斉藤茂吉の長男で、精神科医でタレントで著書も多数ある斉藤茂太氏の言葉が書かれています。
c0187004_8254925.jpg
  『新宿の大京町といふとほりわが足よわり住みつかむとす』
 父斎藤茂吉は、空襲で南青山の自宅を喪ったあと、昭和25年11月
    14日、この場所の新居に住み、昭和28年2月25日に没した。
    右の歌は、最後の歌集『つきかげ』に収められている。
                         平成元年十一月 斎藤茂太
 
 「斉藤神経科」は、現在は府中市に移転し「医療法人赤光会 斉藤病院」となっています。


 赤印が四谷四丁目交差点 青印が四谷大木戸跡の碑 緑印が斉藤茂吉終焉の地

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by wheatbaku | 2011-11-08 08:59 | 大江戸散歩
  

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