先週の土曜日から日曜日にかけて毎日文化センターの講座「「八重の桜」ゆかりの地を行く」の受講生の皆さんと会津若松に行ってきました。

これまで、東京での史跡案内は数多くやってきましたが、東京以外ははじめてなので、いつもとは違う史跡案内になりましたが、無事に終わりました。
受講生の皆さんも、いつの講座とは違い、観光旅行の側面もあるので、大いに楽しまれたようでしたし、お互いに仲良くなれて満足されているようでした。
受講生の皆さんお世話になりました。
今回、ご案内したのは、初日は飯盛山」と「鶴ヶ城」で、二日目は、「松平家墓所」、「御薬園」、「武家屋敷」、「日新館」でした。
今日から、会津若松の様子を書いていきます。
今日は、「飯盛山」の第1回です。
飯盛山は、会津若松駅の真東にあります。

「飯盛山」という名前の由来は、この山が飯を盛ったような形なので、この名前が付けられたといいます。
飯盛山は、標高314mあります。
ここはいうまでもありません、「白虎隊自刃の地」として知られています。
「白虎隊十九士の墓」には、年間200万人ともいわれる観光客が訪れるそうです。
今年は、「八重の桜」放映もあり、それを大幅に上回るものと思います。
先日も、大勢の観光客が次々と訪れていました。
飯盛山に登るのには、長い石段があります。脇にはエスカレーターもあります。
右写真は、上からみた石段ですが、急な石段だということがわかると思います。左手にエスカレーターが写っています。
受講生のほとんどの人が石段を登っていきましたが、息が上がる人が多かったので、自信のない方は、エスカレーターがお勧めです。
石段を登りきると、広場になっていて、そこに白虎隊のお墓があります。(最上段写真参照)

白虎隊が自刃した地は、広場から少し離れた場所にあります。
自刃の地は狭い場所ですので、右写真のように、観光客で混雑していました。
写真中央手前の二人が指差している方向が鶴ヶ城のある方向です。
白虎隊士が自刃したのは、新政府軍が会津城下に侵入した慶応4年8月23日です。
前日の22日に、攻防戦の要衝である十六橋が新政府軍に奪われ、会津藩側は、戸ノ口原で迎え撃つこととなり、白虎隊士中2番隊37名にも出撃の命令が下ります。
23日早朝より、新政府軍との戦いが始まりましたが、会津側は多勢に無勢で敗れてしまい、白虎隊も敗走します。

そして、白虎隊士中2番隊の37名のうち20名が、飯盛山までたどりつきました。
そして、鶴ヶ城を眺めると、 城下は早や紅蓮の炎を上げ、鶴ヶ城は全く黒煙に包まれ、天守閣などは今にも焼け落ちるかと思われるという状況でした。
これを見て、白虎隊は、山腹に整列しはるかに鶴ヶ城に向かって決別の礼をなし、銃を捨て刀を抜き、あるいは腹を切り、あるいは喉を突いて、自刃したといわれています。
白虎隊士が自刃した地には、石碑や供養塔、白虎隊士像が建てられています。(右上写真)
飯盛山と鶴ヶ城との距離は、2千8百メートルほどだそうです。

自刃の地から鶴ヶ城を見てみると、天守閣は見えるものの、詳細がはっきりわかるわけではありません。(右写真参照)
ですから、鶴ヶ城が燃えていたのではありませんが、白虎隊士が城下が燃える炎を見て、鶴ヶ城が燃えているものと考えても仕方ないと思われます。
飯盛山で自刃した白虎隊士は次の20名です。自刃した時刻は、午後2時から4時頃だったようです。
安達藤三郎、有賀織之助、飯沼貞吉、 池上新太郎、石田和助、
石山虎之助、伊東悌次郎、伊藤俊彦、 井深茂太郎、篠田儀三郎
鈴木源吉、 津川喜代美、津田捨蔵、 永瀬雄次、 西川勝太郎
野村駒四郎、林八十治、 間瀬源七郎、簗瀬勝三郎、簗瀬武治

このうち、飯沼貞吉は、奇跡的に生き残り、飯盛山で自刃した白虎隊士は19名とされています。
その亡くなった隊士の墓が、広場中央にあります。
実は、白虎隊士の遺骸は、新政府軍により手をつけることを禁じられていました。
約三ヶ月後村人により、密かにこの近くの妙国寺に運ばれ仮埋葬され、後に飯盛山に改葬されたのだそうです。
明治16年に初めて塚が作られ1本の石碑が建てられ、明治23年に十九士の墓が建てられました。
現在のように整備されたのは、大正14年~大正15年にかけてだそうです。
墓碑はイロハ順に並んでいました。
墓碑の前で説明をしていましたら、突然音楽が流れ始め剣舞が始まりました。
そこで、ガイドは中断して、剣舞に注目しました。 女性の剣舞でした。
バックに流れていた歌は、かつて聞いたことのある次の歌でした。

戦雲暗く 陽は落ちて
弧城に月の影悲し
誰が吹く笛か 識らねどんも
今宵名残の 白虎隊
紅顔可憐の 少年が
死をもて守る この保塞
滝沢村の 血の雨に
濡らす白刃も 白虎隊
詩吟
南鶴ヶ城を望めば砲煙あがる
痛哭涙を飲んで且彷徨す
宗社亡びぬ 我が事おわる
十有九士腹を屠って斃る
飯盛山の 山頂に
秋吹く風は 寒けれど
忠烈今も 香に残す
花も会津の 白虎隊
花も会津の 白虎隊